大阪市西区を全部歩く 前半【新町・堀江・松島】
大阪市24区の中でも、近年とりわけ人口増加が著しい西区。西区は1889年の大阪市誕生とともに設置された行政区の一つで、現在まで続く大阪市最古の区の一つとして発展を重ねてきました。
都心ならではの利便性に加え、歴史ある街並みや個性豊かな商店街、おしゃれなショップが点在しており、大阪市内でも屈指の見どころを誇るエリアが西区です。歩くたびに新たな発見があり、街歩きを楽しむにはこれ以上ない場所といえます。
今回のルート
前半は地下鉄本町駅をスタートし、新町を散策しながら、四つ橋を南下。堀江を通って西へと行き、木津川を渡って松島。そして、京セラドームへと向かいます。
距離にすると全部でおよそ12~3kmですが、寄り道していると、おおよそ20km弱のコースとなります。
西区を歩く 前半
西区の散歩のスタートとなるのは本町駅。地下鉄御堂筋線、四つ橋線、中央線の3線が乗り入れ、大阪市の中心となるような駅です。この本町駅のすぐ西を流れていた西横堀川より以西が西区なんですが、西横堀川はX年に埋め立てられ、今は架かっていた橋の名前が一部の交差点に残るのみです。
本町からは四つ橋筋を少しだけ南へ行くと、立売堀北通りを歩いて、新町へと向かいます。四つ橋筋は、大阪で最も有名な道である御堂筋と同じく、難波―梅田を結ぶ道。御堂筋は全車線南行きですが、四つ橋筋は全車線北行きです。




新町
本町から歩いて10分ほどで新町。今でこそ、タワーマンションやオリックス劇場などがある新町ですが、元々この新町は遊郭であり、1627年に大阪に点在する遊女屋を一か所に集めてできた遊郭で、東京の吉原、京都の島原と並んで、日本三大遊郭の1つでした。
この新町では夕霧太夫が名妓として全国的に名を轟かせており、夕霧大夫を題材とした歌舞伎・文楽『夕霧名残の正月』はあまりにも有名です。そんな彼女は京都の島原から大阪にやってきたのですが、大阪に来て6年ほどで病死。27歳の若さでした。
新町も最盛期には800人を超える遊女がいましたが、1890年の大火で大きく縮小。後述の松島遊郭の誕生もあり、花街としての新町は縮小していきました。




新町を出ると、再び四つ橋筋へと戻って南へ。長堀通との交差点には四ツ橋跡があります。
長堀通は元々、長堀川のあったところで、西横堀川との交点に、カタカナの「ロ」の字のような形で4つの橋(北から時計回りに、上繋橋、炭屋橋、下繋橋、吉野屋橋)が架けられていました。今ではこの2つの川は埋め立てられてしまい、橋もなくなってしまいましたが、往時を偲んで小さなモニュメントがあります。
それにしても、地下鉄は「四つ橋線」、交差点は「四ツ橋」。そして道は「四つ橋筋」となっており、平仮名とカタカナがとてもややこしい。一元化できなかったんでしょうか。


四ツ橋からさらに四ツ橋筋を数分ほど南へ行くと、堀江です。
堀江
堀江までくると、道頓堀や難波駅が結構近いです。道頓堀には歩行者専用の浮庭橋が架かり、道頓堀沿いにはおしゃれなカフェも。堀江は大阪でとってもおしゃれなところの1つです。歩いている人たちもどこかおしゃれです。アメリカ村も近く、若者の街って感じがします。


そんなおしゃれな堀江を代表するのが、オレンジストリート。堀江を東西に貫く800mの商店街です。おしゃれなアパレルや雑貨屋が並んでいますが、その建物自体もとてもおしゃれで、まるで東京の青山みたいな感じ。
もともと堀江には堀江川が流れており、水運を利用した木材産業が盛んでした。オレンジストリートもなにわ筋を越えると、アパレルよりも家具屋が増えてきます。



オレンジストリートをあみだ池筋を越えて、新なにわ筋(地下に千日前線が走っています)まで行くと、ここから北へと向きを変え、松島へと向かいます。
この堀江で特に有名なお寺と言えば、道の名前の由来にもなっているあみだ池がある和光寺。境内の中にはあみだ池と呼ばれる池があり、廃仏派だった物部氏が捨てた阿弥陀仏をのちに本田善光が拾い上げ、善光寺へと持って帰り、本尊としたと言われています。


長堀通まで戻ってくると、鰹座橋交差点を左折して西へ進み、松島へと向かいます。この鰹座橋のあたりにも見どころが多いのですが、一番の見どころは土佐稲荷神社でしょうか。昔は土佐藩の蔵屋敷があったところで、土佐でとれた鰹節を扱う座(同業者組合)があったので鰹座橋。
土佐稲荷神社はあの岩崎弥太郎が三菱を創業したところでもあり、訪れる人も多い神社です。

他にも、この鰹座橋の交差点には大阪中央図書館、西長堀アパート、そして西区の区役所などたくさんの寄り道スポットがあります。地下鉄の西長堀駅もあってとても便利。




ここから西に数分行けば松島!
松島
堀江から松島橋を渡ると松島公園。野球場もある大きな公園です。この松島公園のあたりは、かつて寺島と呼ばれたんですが、そこに大きな松の木があったことから、松島の名前が来ています。今でこそ、松島は普通の住宅地に見えますが、昔ここにあったのは松島遊郭です。
松島遊郭は川口の居留地に近く、開国した少し後に開かれた遊郭です。メイン通りとなる桜筋には桜の木が植えられ、とてもきれいだったようで、今でも松島に桜筋はあるものの、桜の木は残っていません。きっと神戸の福原みたいな感じだったんでしょう。
また、残念ながら、遊郭らしい建物は全くなく、多くが工場になっています。



しかし、そんな松島遊郭は完全になくなったわけではなく、実はみなと通りを挟んで西側のあたり、ナインモール九条の北のあたりに移転し、かなりのお店が現役で営業しています。その建物はまさに遊郭建築という感じで、和風を基調としながらも肘掛欄干や彫刻などがある重厚な建物。文化財クラスになりそうな建物も多いです。
ただ、建物の多くに「撮影禁止」とあることや、建築を見ていると「どうぞ~」と声をかけられてしまったのでそそくさと退散してきました。お店が空いてない早朝行くのがおすすめかも。


そして、この松島を東西に貫くのがナインモール九条。600m近くの長い商店街です。広い道路にアーケードがかかった商店街で、大阪らしく道の真ん中に自転車を止めて買い物をエンジョイするスタイルです。やっぱりこのあたりも自転車生活がメインですね。
商店街はとても賑やかで、九条駅まで伸びています。九条駅からは中央大通りを渡ると、キララ九条商店街とつながるのですが、後半で付近を通過するので、キララ九条商店街は「西区を歩く 後半」で。
松島にある意外なものと言えば、天満宮の行宮でしょうか。これは大阪天満宮の行宮で、天神祭の船渡御では明治から昭和にかけて、この松島にある行宮まで渡御していました。しかし、地盤沈下のために橋をくぐれなくなり、今のような天満宮から都島へと向かうルートに変更となったんですよね。




ここから数分南へいくと、前半のゴール、京セラドームです。
京セラドーム
京セラドームと言われるといまいちピンとこないんですよね。昔は大阪ドームと呼んでおり、近鉄バファローズの本拠地でした。しかし、のちに神戸のオリックスブルーウェーブスと合併。オリックスバファローズとなって、この京セラドームに本拠地を置いています。
収容人数が5万5千人ということで、かなり大きなドームでもあり、コンサートが行われたりすることもあるのですが、地盤の弱さの関係からジャンプ禁止という制限があるようで、コンサートしてはやっぱり城ホールの方が好まれるんでしょうか。
周りをガスタンクに囲まれていますが、元々この地には大阪ガス岩崎工場があった地で、大阪ガス創業の地でした。


大阪ドームのすぐ近くにはイオンをはじめ、たくさんのお店があり、昔と比べてずいぶん便利なところになりました。さらに、この京セラのドームの前で木津川、尻無川、そして道頓堀川が合流しますが、水辺もずいぶん整備されており、散歩には最適。
とりあえず、川沿いのベンチでご飯を食べて、後半もまだまだ、西区の散歩が続きます!!
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