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神戸港を歩く【メリケン波止場から新港、HATへ】

神戸港は、1868年の開港以来、関西を代表する国際港として物流と交易の中心を担い、地域経済の発展を支えてきました。

現在もなお世界と関西を結ぶ現役の国際港として機能する一方、港町ならではの景観を活かした観光地としても親しまれています。湾岸沿いには、神戸港を東西に貫くように整備された散策路が広がり、海風を感じながら港町の情緒を満喫できます。

神戸港の歴史

神戸港の歴史は、平安時代に日宋貿易の拠点として栄えた大輪田泊や兵庫津にまでさかのぼります。これらの港は現在の神戸港よりやや東、和田岬周辺に位置し、古くから瀬戸内海航路の要衝として人や物資が行き交う、物流の中心地として発展してきました。
 
大輪田泊の石椋
大輪田泊の石椋。大輪田泊の史跡はほとんど残っていないんですよね。
 
 
神戸港が近代的な国際港として歩み始めた契機となったのが、日米修好通商条約です。1868年、兵庫港が開港し、後に神戸港へとその名を改めました。しかし当時の港はまだ小規模な波止場に過ぎず、本格的な発展は明治時代後期を待つことになります。
 
「東洋一の国際港」を目指して進められた港湾整備により、1907年の第一期修築工事では新港の第一から第四突堤が建設され、近代港湾としての基盤が築かれました。さらに第二期修築工事では中突堤や第六突堤が整備され、港の機能は大きく拡充されます。その後も麻耶ふ頭をはじめとする施設整備が続けられ、神戸港は日本を代表する国際貿易港へと成長を遂げました。
 
神戸港に入港する客船
神戸港に入港する船。すごい大きさです。
 
そして現在。神戸港は物流拠点としての役割だけでなく、多くの人々が訪れる魅力的なウォーターフロントとして親しまれています。阪神・淡路大震災による甚大な被害や、アジア各地の巨大港湾の台頭によって「東洋一」と称される時代は過ぎました。しかし、開港以来培われてきた国際性と港町ならではの活気は、今なお神戸の街に息づき、多くの人々を惹きつけ続けています。

神戸港を歩く

神戸港から中突堤へ

スタートとなるのは、神戸の駅の裏手にあるハーバーランド公園から。この辺りは高層ビルが立ち並んでおり、神戸駅もほど近いんですが、観光客は少なく、近所の子供たちが遊ぶなど、のんびりとしたところです。

はねっこ橋
はねっこ橋。橋が持ち上げられて開く、平行四辺形式跳開橋。
ハーバーランド公園
小学生が元気に遊んでおりました。
神戸レンガ倉庫
神戸レンガ倉庫。1890年代の建物で、このあたりには煉瓦倉庫がたくさんありました。
旧神戸港信号所
1921年のもの。もともと新港の第四突堤にありました。

そして、少し行くと見えてくるのがモザイクガーデン。アンパンマンミュージアムなどでとても人気の施設です。その隣には神戸港を代表する商業施設のUmieモザイク。さらに、ハーバーランドと続き、神戸駅と地下道でつながっています。

神戸駅からは来やすい位置にあり、この辺りはみなと神戸を感じられるとてもおしゃれなスポット。Umieモザイクのカフェのテラス席やこの辺りの夜景は特におすすめです。

神戸umie
あそこの観覧車乗ったことなかったな…
Umie
Umie
Umie モザイク
Umie モザイク

Umieの辺りから東に行くと、中突堤中央ターミナル(カモメリア)。そして、その隣には神戸ポートタワーです。

このカモメリアでは、神戸港をめぐるクルーズなどを楽しむことができます。和風の安宅船と洋風のロイヤルプリンセスと2種類の船があって、家族で両方とも乗ったのはいい思い出です。海から見た神戸港もとってもきれいでした。

ちなみに食事などが楽しめる船コンチェルトもあって、それはumieの前の高浜突堤から出航します。食事があるので、前者の2つとはずいぶん値段が違ってきますが…。

中突堤中央ターミナル
中突堤中央ターミナル。船に乗るのもなかなかお勧め。
ポートタワー
ポートタワー。高さは108mです。

なお、神戸をあまり知らない人はここが神戸港の中心だと思ってしまいますが、神戸港の中心となるのは中突堤から東に行った新港エリアです。この辺りは観光地としての神戸港の中心です。

メリケンパーク

神戸ポートタワーから伸びるのが中突堤。そして、中突堤とメリケン波止場の間を埋め立てたのがメリケンパーク。メリケンというのは、アメリカンのことで、1868年に作られたこの波止場の付け根あたりにアメリカの領事館があったことから、メリケン波止場と呼ばれるようになりました。

このメリケンパークが神戸港で最も人が多く集まるところでしょうか。神戸港150周年を記念して、2017年に新しいメリケンパークとなり、一段ときれいになりました。

突堤には神戸港を象徴するようなオリエンタルホテル。その前には大きな客船が中突堤に停泊しているのが見ることができることもあります。

メリケンパーク
メリケンパーク!
カワサキワールド
カワサキワールド。川崎重工業のミュージアム。船、バイク、新幹線とKAWASAKIのものがたくさん!!
オリエンタルホテル
オリエンタルホテル
フィッシュダンス
フィッシュダンス。この魚は鯉のようです。

メリケンパークの東端はメリケン波止場の跡。今では芝生の広場や桜の木がとてもきれいで、ここが波止場だったとは思えないほどです。公園内に点在する数々のアート作品は、文化と感性が息づく“神戸らしさ”そのもの。

中でもBE KOBEのモニュメントは最も人気な写真撮影の場所になっていました。 

メリケンパーク
桜の花がきれいな公園です。
BE KOBE
BE KOBE
希望の船出像
希望の船出像。1908年、ブラジルへの移民を乗せ、ここから旅立ちました。

メリケン波止場の隅には神戸港震災メモリアルパークも。この辺りは阪神淡路大震災でかなりの被害があったところなんですよね。

忘れもしない、1995年1月17日です。

新港エリア

メリケンパークからさらに東へと向かうと新港地区です。神戸を“東洋一の国際港”へ―その壮大な構想のもと、1907年に着手された神戸港第一次修築工事。その先駆けとして、最初に整備された地こそがこの新港地区です。

メリケンパークからはみなと公園沿いを歩いて、京橋を渡り、すぐの場所にあります。新港エリアの象徴のような神戸税関の建物が突堤のすぐ北に建っており、どことなく当時の雰囲気を味うことができます。

京橋
京橋。これが市街地と新港エリアをつなぐ橋でした。
網屋吉兵衛の碑
この辺りに船蓼場を作り、神戸築港の先駆者とも呼ばれる網屋吉兵衛の碑。
神戸税関
1927年竣工の神戸税関。
神戸港の倉庫
居留地と言えば、やっぱり巨大な倉庫!

新港では、第一次修築工事によって第一突堤から第四突堤が整備され、その後も発展を重ねて第八突堤に至るまで拡張が進みました。時代とともに第五から第八突堤は埋め立てられ、現在の小野浜として姿を変えています。

一方で、第一から第四突堤は今なおその姿を残し、現在では海辺の歴史を感じながら散策できる空間として整備され、往時の港湾都市の面影を静かに伝えています。その大きさはまさに圧巻の一言。運のいい日には巨大な客船をいくつも見ることができます。

西から歩いていくと、まずは第一突堤。ここには「神戸みなと温泉 蓮」といった温泉施設や「ラスイート神戸 オーシャンガーデン」といった結婚式の会場があります。神戸港で結婚するなんてなんとも素敵ですね!! この第一突堤には時々、大きな帆船が止まっていたりします。

第一突堤
第一突堤
大成丸
練習船の大成丸だ!!
M Chat 氏のねこ
フランスのストリートアーティスト M Chat 氏の作品。

第二突堤にあるのはライブ会場として使われるG-Lion Arena Kobe。最近になって作られた施設で、周りはきれいに整備されています。さらにその隣の第3突堤はフェリーターミナル。小豆島行きと宮崎行きのカーフェリーがここから出ています。ここだと三ノ宮駅から近いので、とても便利です。

そういえば、10年前、ここから高松行きのフェリーに2人で乗りました。そして、それがこのブログの始まりでした。

第二突堤
第二突堤には大きなライブ会場。神戸港、とにかくでかい!!
フェリーたかちほ
宮崎行きのフェリー。すごい大きさです。

新港地区の最も東にある突堤が第四突堤。ここはポートターミナルで、大型の国際客船が2つ停泊することができ、日本最大の客船用埠頭です。ちょうど訪問した時には、超大型客船が2つ止まっていて、まるで空港。たくさんの外国人の観光客がいました。また、送迎用のデッキもあって、デッキから間近に船を眺めることができました。

三ノ宮の駅からわずかライナーでわずか1駅ということで、とても便利なのもいいですね。こんな埠頭施設は大阪はもちろん、横浜にもなかった気がします。

神戸ポートターミナル
神戸ポートターミナル。まるで空港みたい。地方空港よりかははるかに大きいです。
ポートターミナル
近くから客船が眺められます。大きすぎて、写真にはいりません!!
Mein Schiff 6
これは別の船。東京発なんと行先はスペイン!!
ポートターミナル
右側のビルみたいな白い建物は客船です。

この新港はまさに神戸港の壮大さを感じることができる場所なんですが、突堤の辺りまで観光客は来ないんですよね…  中突堤のあたりだけ歩いていても、「横浜の小さいバージョン」ぐらいにしか感じないでしょうね。

神戸港のメインとなるエリアはこの新港地区までですが、遊歩道はみなとのもり公園、小野浜公園と続き、さらに生田川を渡って、HATへと続きます。みなとのもり公園は三宮からわずか500mほど南に行ったところにある公園で、神戸震災復興公園。阪神淡路大震災の時には、甚大な被害があったんですが、それを乗り越え、公園として再整備されたところです。

みなとのもり公園
みなとのもり公園。市内に公園がたくさんあっていいなぁ~
旧神戸港駅
旧神戸港駅はこの辺りにありました。

HAT神戸へ

生田川を渡ると、HATゆめ公園。この辺りはHAT神戸と呼ばれています。Happy Active Townを略してHAT。元々、川崎製鉄や神戸製鋼などあったんですが、震災後に整備されました。今では高層のマンションがいくつも立ち並び、海辺にはウッドデッキが整備されており、たくさんの地元の人がジョギングを楽しんでいました。

人通りはちょうどいい感じで、とても心地の良い散歩道。ここまでくると観光客のような人はいませんが、港町の神戸らしい景色が広がります。

HAT神戸
ここまでくると住宅地らしさがありますね。
HAT神戸
この辺りはいい散歩コースです。
小野浜
向かいは小野浜。昔は小野浜も突堤でした。
摩耶大橋
摩耶大橋

また、HATにはいくつかの公園があるのですが、特に大きいのがなぎさ公園。市民の憩いの場となり、アート作品が点在しています。他の街なら贅沢や無駄と映るものも、神戸では風景を彩る美意識へと変わってしまいます。

HAT神戸
このアートは何だろう…って思わせられるものばかり。
HAT神戸
高層マンションがたくさんです。
マリンステージ
マリンステージ。ちょっと暑いかな??
なぎさ公園内のアート
名和晃平氏のEther (family)

なぎさ公園の隣には兵庫県立美術館。神戸ゆかりの作家を中心に展示しており、美術館の中も凝ったデザインに担っていました。

特に海沿いを歩いていると大きなSun Sister、通称なぎさちゃんがとても目立ちます。その顔、独特な出で立ちから、作ったのはヤノベケンジ氏でしょうね。右手に太陽を持ち、未来の希望を象徴しています。

Sun Sister
Sun Sister。名古屋のナナちゃんみたい?
HAT神戸
HAT。この辺りは横浜の戸塚あたりみたいだ。
Kobe Frog
オランダのアーティスト フローレン・ホフマン氏のKobe Frog

ということで、HATを一番東までくると西郷川河口公園。春の桜や菜の花がとてもきれいな公園です。

この辺りでHATは終わり。神戸港の長かった遊歩道も終了です。神戸港、小さいと思っている人も多いと思いますが、全部行ってみるとかなりの広さ。横浜港には巨大客船が2隻も停泊できるようなフェリーターミナルはなかったですね。

とてもおもしろかった。いい散歩でした!!

西郷川河口公園
西郷川河口公園
西郷川河口公園
西郷川河口公園から見た神戸港

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