生野区を全部歩く(後半) 【巽、今里、猪飼野】
生野区は大阪市の中でも、特に外国人人口の多い街。そして古き良き大阪の残る街。そんな生野区を全て歩いてみました。今回は前編に続き、南巽駅から出発し、北へ。そして、西へと向かい、今里を散策した後、コリアンタウンの猪飼野を歩き、鶴橋へと帰ります。
生野区を全部歩く: 後半
巽・小路
後半は南巽駅からスタート。南巽は難波駅からメトロの千日前線に乗って、終点です。わずか15分ほどの時間で来ることができ、また千日前線の本数も日中は7~8分に一本程度と、アクセスはとてもいい感じ。地下鉄の駅の周りには大きなマンションがいくつか立つものの、開発されているのは駅の周りのごく一部のみです。
駅前には大きな巽神社があり、夏にはだんじり祭りが行われます。岸和田のような思いっきり駆け抜ける感じではなく、平野のようなだんじり祭り。それでもとても迫力があり、生野区全体がとても盛り上がります。


南巽の駅には、内環状線が走り、生野区の東部を東西に貫いていますが、その少し西側には中高野街道。放出街道とも呼ばれます。この中高野街道は京街道にて守口から分岐した道で、まっすぐ南下し、平野を通って、河内長野で西高野街道に接続します。
住宅街を通るものの、ローカルな雰囲気が残る街道で、巽のあたりもどこか懐かしい景色が残っています。



北巽のあたりで、左折し、西へ進んで、巽公園へ。巽公園は毎年秋に区の最大のお祭りである生野祭りが行われるところです。だんじりがこの生野区の各地区より勢ぞろいし、壮大なパレードが行われます。
でも、普段はしっとりとした公園。公園ではおっちゃんたちが集まって、将棋してたり、麻雀していたり。なんとも大阪らしい雰囲気です。東京ではあんまりないでしょうね。こんな風景。
巽公園からもう少し西に行くと、生野区を南北に貫くメイン通りの今里筋、そして東西に貫くメイン通りの勝山通の交差点である大池橋交差点。そしてちょうど交差点のあたりにはロート製薬の本社も。
このあたりは地下鉄今里筋線が延伸してくるはずだったんですが、計画は中止となってしまいました。なんばや梅田方面へ行くバスもほとんど来ず、ここは陸の孤島に近い感じでしょうか。



東ヘ歩いて再び中高野街道へ戻り、小路へ。巽北のあたりは住宅街の中に小さな工場が多い、準工業地域。生野区らしい景色です。中高野街道まで戻ると、昔商店街があったかのような雰囲気の通りですが、アーケードはなく、ほとんどすべてのお店は閉まっていました。

小路の駅までくると、生野区の北東端です。東大阪市の布施駅も徒歩圏内です。
駅のすぐ近くには清見原神社。そして、ここにも駅前に東小路商店街がありますが、まるで時を忘れたかのような寂れた感じ。生野区の東端を過ぎて、東大阪市まで数百メートルも続きますが、今ではそのほとんどは閉まっています。



今里
小路から西へ進み、鶴橋へと戻っていきます。平野川分水路を越えると今里です。地下鉄千日前線の今里駅は東成区の大今里を、そして近鉄の今里駅は生野区の新今里を通り、この2つの駅は徒歩5分ほど離れています。
この新今里ですが、生野区の中でもおそらく最も独特な雰囲気があるところとでも言えるでしょうか。町のいたるところに、韓国語、中国語、ベトナム語で書いてあるお店。そして、ベトナムや中国語に関しては、そもそも日本語表記がないので、もはや日本人をターゲットにしたお店ではないという感じです。
実際、この生野区では外国人と言えば、韓国人がメインだったものの、近年では中国そしてベトナムなどの東南アジア系が急増し、外国人人口も増えています。大阪市内からすぐ近いことや、家賃なども安いこともあるんでしょうね。



さらに、新今里には大阪5大新地の内の1つである今里新地も。飛田や松島に次ぐ大きさです。飛田や松島は新地だけが大規模にまとまって離れてあるような感じなんですが、今里新地は新地が繁華街がに溶け込んでいる感じ。入りにくいような気がしてしまう、なんてことはないんでしょうかね。




猪飼野
今里を出ると、猪飼野新橋で平野川を越えて、猪飼野です。

この猪飼野は生野区の中でも最も有名な地区と言えるでしょうか。元々、このあたりには猪甘津と呼ばれる古代の港があり、猪飼部と呼ばれる人たちが朝廷に献上するために猪(ここでは豚のこと)を飼育をしていました。その様子は日本書紀にも登場し、猪飼野にはたくさんの渡来人がこの職に従事していたという記述があります。
戦前には、済州島と大阪を結んだ君が代丸が就航し、たくさんの人が職を求めてこの地に移住しました。そこからこの生野区がコリアンの街として発展していくのですが、そのコリアンがたくさん住んだ地区こそ、猪飼野です。
今でも韓国系の人が多数住んでおり、生野コリアンタウン(御幸通商店街)という日本最大のコリアンタウンもあります。特に若者向けのコスメ用品や食べ歩きなどは、本場さながらのクオリティー。修学旅行生なんかも来たりします。



生野コリアンタウンの入り口のあたりには、御幸森天神宮。そして、その向かいには弥栄神社。さらに、この辺りには歴史的な町並みが広がるなど、なんともユニークなところです。



そして、鶴橋駅へ
弥栄神社前から道をまっすぐ北に上がってくると、鶴橋本通商店街。鶴橋は商店街がまるで迷路のようになっていますが、メインの商店街だったのは南北に広がる鶴橋本通商店街。道も大きく、とてもレトロな雰囲気が広がり、おいしい韓国料理のお店などもたくさんあります。
鶴橋駅から少し離れていますが、コリアンタウンに行く人が多く通るので、人通りは結構多めです。



近鉄の高架が見えたら、そこが生野区と東成区の境目。近鉄の高架に沿って、商店街の中を鶴橋駅に向かってぐるぐると進みます。そして、とうとう鶴橋駅。
長かったんですが、生野区の散歩は密度が本当に濃かったです。町の様子、人、商店街、外国人、史跡など全てひっくるめると、生野区がいろんな意味で最も大阪らしい気がします。


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