大阪城を歩く【三の丸から天守閣まで】

大阪城と言えば、大阪のシンボル。大阪人にとっては「あれは昔太閤さんのお城やったんやで。知らんけど。」という、緑の少ない大阪で唯一ゆっくりとした時間が流れる憩いの場でもあったりします。広大な敷地には四季折々の風景が楽しむことができます。

大阪城

どの駅を使うか

大阪城は大阪の中心である梅田や難波からは少し離れたところにあります。なので、必然的に電車に乗って移動することになるでしょう。ですが、ここで問題なのがどの駅で降りるかということ。大阪を初めて訪れた人の多くがJR環状線の大阪城公園駅で降りると思いますが、実はそれはお勧めではなく、地下鉄谷町線の谷町4丁目(たによん)駅がおすすめです。

というのも大阪城に入るには、大きく分けて、4つの門があります。それが、大手門、京橋門、青屋門、玉造門。この4つのどこから入っても、大阪城の本丸に行くことはできるんですが、このうち大阪城の正門となっている大手門に一番近いのが谷町4丁目駅。

大阪城公園駅から行くと、近いので、青屋門から入ることになると思いますが、青屋門は鬼門の方向にあるという理由からほとんど使用されていなかったんですよね。

また玉造門も京橋門も櫓がなく、お城の雰囲気があまりありません。

玉造門。櫓は明治維新で消失しました。

三の丸を歩く

とはいえ、大阪城公園駅から三の丸公園内をのんびり歩いて大手門に向かうのも季節によってはいいですよね。特に、森ノ宮駅の辺りは森になっています。大阪市内で森なんてかなり珍しいです。大阪は緑が少ないですから…

ちなみにこの森になっている辺りは戦前、大阪砲兵工廠のあったところ。大阪城には戦争時代の遺構も実は結構残っています。

大阪砲兵工廠跡の碑。
大阪砲兵工廠化学分析場。かなり古い建物で、近づくことができません。

また、公園内には桃園(京橋門あたり)や梅園(玉造門を入ったところすぐ)があり、大手門のあたりは春になると桜が本当にきれいです。

1200本もの梅が咲く梅園
大手門付近の桜は本当に綺麗です。
桜と御座船。

 

大手門から

では、大手門から入ります。やっぱり大阪城。すごい迫力ですね。左手には千貫櫓があって、この大手門を突破しようとする人をしっかりと狙っています。ちなみに大阪城にはいくつかの櫓が残っていますが、多聞櫓、千貫櫓、乾櫓、六番櫓、一番櫓などは江戸時代のもので、重要文化財にもなっています。

大手門を入ってすぐの桝形もとっても大きいです。

城内最古の櫓の一つと言われる乾櫓。
千貫櫓から大手門に入る人をばっちり狙えます。

さて、大手門を出ると二の丸です。二の丸から見た天守閣や石垣は本当に綺麗です。大阪城は大きいので、三の丸の外周を全て歩くのは大変ですが、二の丸はぐるっと歩いても15分ぐらいなので、時間があれば歩いてみることをお勧めします。

また、この二の丸の辺りには石山本願寺の遺構などが沢山あります。大阪城は元々、蓮如が建てた石山本願寺の位置に作られているんですよね。そういえば、「大阪」という名前を考えたのも、豊臣秀吉ではなく石山本願寺の蓮如でした。

本願寺は埋まっているので、詳しいことはあまりわからないんですけどね。
梅園のあたりの石垣は本当に大きいです。
京橋口あたりの二の丸から見た大阪城

さて、大阪城の本丸に続く正門となるのが桜門。門越しにちらっと見える天守閣は本当にかっこいいですね!!

桜門を入るとすぐにある蛸石は超巨大な石です。ちなみに蛸なのは蛸の模様が見えるから。雨の日だと結構はっきり見えるんですが、晴れの日でもなんとなく見えます。

お城がちらっと見えます。
左側に蛸の頭のような感じが見えますね!!
この辺りは空堀になってるんですが、当初から空堀だったとされています。

大阪城・天守閣

ミライザ大阪城を横目に見ながら進むと、ようやく天守閣です。いつ見ても本当に立派な建物ですね。

さて、大阪城の天守閣ですが、もともとは1583年に豊臣秀吉が建てたもの。しかし、大坂の陣で消失してしまい、のちに徳川秀忠が1629年に再建。これも1660年に焼失してしまい、その後は天守閣がありませんでした。現在のものは1928年に再建されたお城です。100%民間の寄付金で作られました。

なお、この再建された城は豊臣時代の城を模したものですが、豊臣時代の大阪城は徳川によって埋められてしまったので、今では地下にあります。なので、この大阪城は徳川の土台に豊臣の城が立っているということになりますね。

ちなみに、豊臣時代の大阪城は黒かったと言われているので、このお城自体正確に史実に基づいて再建したもの、ってわけではないんですよね。

旧陸軍第四師団司令部庁舎です。

ちなみに初めて来た人だとどこで写真を撮ろうか迷ってしまうのですが、おすすめは庭園のところから。ちょっと離れたところに庭園らしくなっているところがあるのですが、ここはもともと紀州御殿と呼ばれて、和歌山城から移設した御殿があるところでした。

今は御殿は消失してしまい、残っていませんが、庭園だけは残っているので、庭園とお城というベストなコンビネーションで写真を撮ることができます。

また、西の丸庭園からも正面の大阪城がばっちり撮れます。特に、西の丸庭園のきれいな桜と一緒に撮ることができます。

紀州御殿から見た大阪城天守閣

大阪城は模擬天守閣ということもあり、中はお城の歴史を紹介する博物館。なかなかコアな情報も多く、楽しいですよ。天守閣の上からは大阪の町並みを楽しむことができます。

大阪ドームが見えますね!!

山里丸から二の丸へ

ちなみに、大阪城の左脇から本丸の裏に行くことができ、お城から少し階段を下がったところにある山里丸を通って極楽橋を渡り、二の丸へ出ることができます。

山里丸には大坂夏の陣終焉の地の石碑があります。豊臣秀頼とその母である淀君はこの辺りで自刃し、大阪の陣が終了しました。

大阪の陣の遺構は全て埋まっているんですが、おそらくこのあたりでしょう。
極楽橋。宝厳寺の唐門はもともとここにあったんですよね。

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