初瀬街道を歩く1: 初瀬~榛原
伊勢参りが人気だった昔、奈良から伊勢へ向かう多くの人が歩いた道が初瀬街道です。長谷寺から松阪へと至るこの道は伊勢本街道よりも山越えが少なく、多くの人によって歩かれたと言われています。そんな初瀬街道を長谷寺から榛原までのセクションを歩いてみました。
※初瀬街道の全行程や他の伊勢参宮街道の記録はこちら
初瀬街道 1: 初瀬~榛原
初瀬から榛原へ
長谷寺は近鉄の長谷寺駅から歩いて20分ほど。駅から山を下りて、また上がったようなところにあります。長谷寺は西国33箇所のお寺で、夫婦でもう何度も訪れていますが、何度来てもやっぱり美しいお寺です。牡丹が特に有名ですが、春に来ると牡丹以外にも多くの花が咲いています。
初瀬街道がどこから始まっているのかに関して、あまり定かではなく、中には桜井慈恩寺のあたりから始まっていると主張する人もいるようです。今のところ、多くの資料に初瀬から始まっているという記載があったので、初瀬街道はとりあえず初瀬から始まっていると考えたいと思います。
初瀬街道は長谷寺の前から始まるのではなく、長谷寺の250mほど手前、『湯元 井谷屋』のあたりから右折し、小さな坂を上がっていきます。化粧坂(けはいざか)と呼ばれる坂で、ここで長谷寺参拝のため身なりを整えたり、旅立つ人はこれからの道中の安全に備えたところだと言われています。小さな坂で、気づいたら国道165線に出てきている感じです。
ここからはきれいな田園風景が榛原まで続きますが、時折旧道が残る程度で、国道沿いで歩道がない車道を主に歩きます。ただ、交通量が多いので、少し危険です。ゆるい登りが榛原まで一時間ほどずっと続きます。
宇陀市に入ると、榛原の駅まではもうすぐ。コンビニを過ぎたあたりから、国道から逸れて小さな道へと入って榛原の駅へと下っていきます。少し道がわかりにくいので注意です。
ちょうど国道から逸れるところは西峠と呼ばれる場所で、墨坂の伝承地と言われます。日本書紀によると、この墨坂とは賊軍が神武天皇らの進軍を防ぐためにいこり墨(山焼き)を行ったところで、神武天皇は兎田野の川を堰き止めて火を消したと言われています。
榛原駅まで来ました。榛原駅付近には萩原宿と呼ばれる古い宿場町の町並みが広がります。そして伊勢街道沿いの旅籠屋として栄えたあぶらやもこの萩原宿の札ノ辻にあります。このあぶらやの前で伊勢本街道(伊勢奥津経由で伊勢へ行く道)と初瀬街道・伊勢表街道(現在の近鉄線沿いで伊勢に行く道)に分かれます。
ということで、今日は長谷寺からわずか1時間半の道のりでした。伊勢本街道は榛原をでると、かなり山の中へと入っていきます。伊勢本街道は次は榛原から曽爾村まで、初瀬街道は名張までを歩いてみたいと思います!!
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