延暦寺・横川【比叡山】
京都と滋賀の境に位置する延暦寺。日本で有数の聖地として有名な場所ですが、初めてきた人はこの寺の大きさにびっくりすることでしょう。その延暦寺の中でも、最も奥の場所に位置するのが横川です。
延暦寺・横川
横川のエリアは比叡山の中でもアクセスが悪いからか、かなりひっそりとしています。西塔からは北に約4kmほど。バスで来ることもできますが、西塔から峰道(東海自然歩道)を歩いて1時間藩ぐらいでも行くことができますが、遊歩道とかいう感じではなく、ハイキングです。
なお、冬季はバスが運休しているので注意が必要です。
横川を建立したのは、天台座主である円仁です。円仁は最長の孫弟子で、第3世天台座主になり、遣唐使として唐に留学し、天台宗が密教を取り入れるのに大きく貢献した人物です。
横川の中心の建物である横川中堂が見えてきました。円仁が遣唐使として渡った船をイメージしてつくられたもので、新緑と朱色のコントラストがなんとも美しいです。
横川中堂にはこの横川の本尊である聖観音菩薩が安置されています。円仁作の平安時代のもので、比叡山の数ある火災を生き抜いてきたものです。ここでもやはり参拝者と仏が同じ目線になるように低い位置に安置されているのが延暦寺らしいですね。なんだか仏様と対話しているみたいです。
延暦寺は本当に大きいですね。この横川だけで普通のお寺ぐらいの大きさがあります。紅葉のシーズンにはとても綺麗なんでしょうね。
少し奥まったところに元三太子堂があります。元三大使とは良源のことで、10世ごろ比叡山は火災で堂を失っていたんですが、良源が伽藍を復活しました。
ここはおみくじ発祥の地として知られており、良源はおみくじを始めた人物とされています。
もちろん、ここでもおみくじができるのですが、ここではおみくじの際に自分の悩みを話し、僧がおみくじを引いて、その内容を僧が解いてくれるというもの。まさに良源に悩みの答えを聞くようなものですね。ちなみに、予約が必須です。
良源は疫病を救おうと祈っていると、鬼に姿を変えました。その時の姿は角大師や魔滅大師として、厄除けの護符になっています。
なお、この良源のお墓は横川のかなり奥まったところにあります。とてもシンプルな感じですが、今もきっと横川で見守ってくれているんでしょう。
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