関東

東海道を歩く1: 日本橋から品川【東京から大阪へ】

東海道は、東京と京都・大阪を結ぶ道で、太古の昔からたくさんの人が利用してきた日本で最も有名な道の1つです。今日はそんな東海道をはじめの日本橋から品川宿までのおよそ8キロを歩いてみたいと思います。

見どころがとても多く、ゆっくり見物しながら歩いていると品川まで歩くのにほぼ一日かかります。

東海道を歩く: 日本橋~品川

日本橋から京橋へ

東海道の始まりは日本橋。昔の東京の中心地ともいえる場所で、ここから東海道、中山道、甲州街道や日光街道などたくさんの有名な街道がスタートしています。

東京駅から歩いて10分程度の位置にあることから、今では日本有数のビジネス街として、本当にたくさんのオフィスが軒を連ねており、常に多くの人通りがあります。

日本橋
日本橋。ここが東海道の始まりです。

日本橋の頭上には高速道路が通っているということもあり、橋自体は少し見えにくいのが残念。ただ、橋の細かいところに注目してみると、かなり凝った装飾が施されていることが分かります。

日本橋
ずいぶん豪華な橋です。
日本橋の獅子
獅子。持っているのは旧東京市の市標
日本橋の麒麟像
麒麟像。翼が生えていてかっこいいです。
里程元標
里程元標。ここが東京の起点です。

さて、東海道はここから国道を南下していきます。今日の目標の品川まではおよそ8km。山手線でわずか数駅の距離ですが、歩いていると結構な距離があります。東京って本当に大きいんですよね!!

しばらく行くと、京橋を歩きます。大阪にも京橋があり、実はこの東海道をずっと大阪まで行くと、東海道のほぼ終わりのところに京橋があります。ただ、東京の京橋のほうがずいぶんおしゃれですが。

京橋
京橋を行く東海道。おしゃれだなぁ…!!
京橋の明治屋
明治屋。1933年製の建物です。民間で始めて地下鉄と直結したビルでした。
江戸歌舞伎発祥の地
江戸歌舞伎発祥の地。江戸歌舞伎は初代中村座の中村勘三郎がここで興行を行ったのが起源です。

京橋は京都に向かう東海道にかけられた最初の橋ということで、京橋と名付けられました。下には京橋川が流れていたのですが、川は埋め立てられ、今では親柱が残るのみ。

ここから銀座ということで結構人も増えてきました。

京橋の親柱
京橋の親柱

銀座

江戸時代、幕府は銀貨鋳造所を駿府からこの地に移し、銀貨を鋳造する銀座役所がこの地にはたくさんありました。その銀座役所がこの銀座の名前の由来です。

明治時代にはガス灯や煉瓦作りの建物が並び、百貨店もたくさんありました。まさに日本の最先端を行く、文明開化の地して知られていました。

今ではたくさんの有名ブランド店が立ち並び、東京を代表するメインストリート。日本で最も地価が高いところとしても知られています。

銀座の町並み
銀座。歩いているだけなのに、なぜか楽しくなる。
銀座四丁目
銀座四丁目のあたり。
銀座和光と三越本店
銀座和光(左)と三越本店(右)。銀座を代表するランドマークです。
銀座の柳。銀座と言えば、柳の木が有名で、中央区の木も確か柳でしたね。

銀座も銀座8丁目までくると、新橋。少し雰囲気が変わってきた気がします。下の川はすでに埋め立てられていますが、新橋の親柱はまだ残っています。

新橋をくぐると港区。東京の港区と聞くとずいぶんおしゃれなイメージですが、港区だけでもずいぶん大きいんですよね。

新橋の親柱
新橋の親柱
日比谷神社
日比谷神社。日比谷からは少し遠いですが。

新橋

新橋までくると、これまでのおしゃれな東京から少しイメージが変わった感じがします。少し古いビルもあり、駅前には「おやじビル」と呼ばれるニュー新橋ビル。港区と言っても新橋のあたりを想像する人はあんまりいないんでしょうね。

新橋というと、日本で初めて鉄道が開業した時の路線が新橋―横浜でしたね。現在の新橋駅は昔の新橋駅から少し西に移動していますが、昔の新橋旧停車場も保存されています。

烏森神社
烏森神社。少しわかりにくいんですが、新橋の駅からすぐの所です。
旧新橋駅舎
旧新橋駅。中は博物館でした。
金杉橋
金杉橋。船溜まりになっています。

新橋から少し南に行けば、港区の芝。ちょうど浜松町駅のあたりです。

ここから東海道をそれて少し西へ行けば、増上寺が近く、さらにそのすぐ近くには東京タワー、さらにもっと西へ行けば六本木となかなか活気のあるエリアです。芝公園はとっても大きな公園です。東海道から少しそれるものの、ぜひ見物しておきたいところ。

増上寺からさらに北に行くと、愛宕山も。鉄道唱歌の「愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として」の愛宕山。昔は新橋の駅からはっきり見えたんでしょうか。100段近い階段を上ったところにある神社です。

芝大門を通る車
芝大門
増上寺と東京タワー
増上寺と東京タワー
愛宕山と愛宕神社
愛宕神社。小高い山の上にあります。
芝大神宮
芝大神宮

東海道に戻って芝からすぐ南に行くと、三田。この辺りには昔、高輪海岸が広がり、東海道はその海岸沿いを行く風光明媚な道でした。今では、海岸も埋め立てられ、ずいぶん遠くなってしまいました。

ちなみに、高輪という地名はもともと高縄で、高いところを行く縄手道が由来。実は東海道から一本西の道へ入ると、かなりの高台になっており、その高台に縄手道があったようです。

東海道はこのまま第一京浜の平坦な道を行きますが、慶応大学のあたりから聖坂を上り、二本榎坂通りを歩くと、高輪の高台へと上がることができます。

第一京浜と東海道
東海道をまっすぐ歩くとこんな感じです。
慶応大学
慶応大学。大きいですねぇ!!
聖坂とクウェート大使館
東海道をそれて、聖坂を上がっています。左のおしゃれな建物はクウェート大使館。
三田のあたりの風景
これでも東京都港区三田なんですよね。

聖坂のあたりは、高野山の僧が開いたとも言われている坂。この辺りはかなりたくさんのお寺があります。移転してきたんでしょうか。大阪の上本町のような感じです。

聖坂をまっすぐ行くと、二本榎通りとなり高輪へと入ります。もう品川です。あっという間でした。

井皿子貝塚
三田台公園内の井皿子貝塚。港区に貝塚あるんですね!!
井皿子貝塚
井皿子貝塚。貝塚が保存されています。
保安寺の長い坂
保安寺。ずっと坂の下にお寺がある感じです。
高輪消防署二本榎出張所
高輪消防署二本榎出張所。日本で一番古い消防署です。

さて、このたくさんお寺がある高輪周辺でも最も有名なのが泉岳寺。山門が大きく、なんとも迫力があります。赤穂事件で有名な有名なお寺の内の1つで、47人の赤穂義士と浅野長矩が葬られてます。

泉岳寺
泉岳寺。大きなお寺です。
大石内蔵助の自刃跡の碑
大石内蔵助の自刃跡の碑。泉岳寺からちょっと離れて、二本榎通りにあります。

高輪へ

さて、東海道へと戻って高輪大木戸跡を通ると、品川宿。最近ではこの木戸あたりに高輪ゲートウェイ駅ができ、再開発の真っただ中にあります。

今はそんなに人がいませんが、これからたくさんの人が使う駅になるんでしょうね。

高輪大木戸跡
高輪大木戸跡。だいぶはっきり残っています。
高輪ゲートウェイ
高輪ゲートウェイ。まだあんまり人通りがありません。
品川駅
品川駅。なんかおしゃれなんですよね、品川って。

さて、品川駅です。東海道新幹線に乗ると、都内の最初の駅が品川。「これが東京だ」って感じで、高層ビルがたくさん建っていますが、歴史にもあふれる不思議な街です。

品川と聞くと、とってもおしゃれな街のイメージがありますが、実は駅前はそんなこともなかったり。大規模な工事を行っているので、これからの発展が楽しみです。

さて、ということで距離的には日本橋から7~8km程度しか歩いていませんが、いろいろ立ち寄っていると、ほぼ一日かかってしまいました。昔の東海道の旅人もきっといろんなところを見物しながら旅行を楽しんでいたんでしょうか。

次は川崎までを歩きます。

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