志賀島を歩く【漢委奴国王印】

博多湾に浮かぶ小さな小島、志賀島。一周10km程度の小さな島ですが、国宝の金印『漢委奴国王印』が発見された島でもあり、奈良時代の万葉集にも何度も詠まれ、古代から有名な島です。

そんな志賀島を金印街道に沿って、徒歩で一周してみました。

志賀島を歩く

志賀島へ

志賀島へは博多港からフェリーで向かうか、またはJRの西戸崎駅からバス行くことが出来ます。小島とは言え、実は砂州で九州とつながっており、陸つなぎの島なんですよね。

フェリーはおよそ1時間に一本程度ですが、バスもそれなりに本数があるので、アクセスは悪くないです。いずれにせよ、志賀島港や志賀海神社がある志賀島地区あたりに上陸します。

時間があれば西戸崎の駅から歩いてみるのも良いのかも。1時間ぐらいかかりますが、砂州の上はなかなか景色がきれいで、能古島や糸島半島がよく見えます。

砂州のところ、前に見えるのが志賀島
博多港から志賀島行きのフェリーもあるんですよね。舟の名前はもちろん「きんいん」。
博多湾。水が穏やかです。
冬の玄界灘は荒れてますね。

この志賀島地区にはスーパーやコンビニと言ったものは全くないのですが、この地区が島内で一番大きい集落で、カフェなんかもあったりします。

もともとここに町役場庁舎があったということを考えれば、この地区が島内の中心地区だったんでしょうね。

志賀海神社の鳥居です。
このあたりは結構人が住んでいますね。

この志賀島地区の少し北に志賀海神社があるので、まずは神社を参拝してから散策をしたいと思います。

志賀海神社

志賀島で一番大きいのがこの志賀海神社。この神社は伊邪那岐命が禊ぎの時に現れた綿津見の神をまつる神社で、海の神。全国の綿津見神社の総本社となっています。

志賀海神社。結構大きな神社です。
亀石遙拝所

 

神社にはお清めの砂をかけて入る感じ。珍しいですね!!

まず、お清めしてからスタートします。

金印海道を歩いて、志賀島を散策

この志賀島には金印海道と呼ばれる道が島内の海沿いを一周しており、いい散策路になっています。歩道がなかったりするところも多く、交通量(特にバイク)が多いので、少し気をつけて歩く必要があります。

ちなみに時計回りと反時計回りに回るのとどっちがいいのかと言うと、私たちは時計回りをおすすめします。というのも、島の西側の方がいろいろあって、体力があるうちにいろいろ楽しむことが出来るからです。

東には荒々しい玄界灘以外にほとんど何もなく、ランナーの人も島の西側を走っているようでした。

小学校も幼稚園も保育園もあります。島内に子供すんでいるんでしょうかね…
『沖つ鳥鴨といふ船は也良の崎たみて漕ぎ来と聞こえ来ぬかも』。万葉集に収められた歌です。
海がきれいだなぁ!!紀伊半島歩いているときを思い出します。

金印公園

さて、歩き始めてしばらくしたら見えてくるのがこの金印公園。この金印公園こそ、あの漢委奴国王印の金印が1784年に出土した場所です。

金印は57年に奴国の国王に後漢の王朝が送ったとされるもので、縦横数センチの小さなものですが、金なのでずっしりと重いです。日本と中国との交易を古くから示すもので、国宝に指定されています。

漢委奴国王印(レプリカ)。つまみのところは蛇。少し変わってますね。

ここで見つかったということは、奴国がこのあたりにあった可能性があると思うのですが、奴国の遺跡らしいものは志賀島では見つかっておらず、また島には王国があったような平坦な地形はほとんどありません。なかなか謎ですね。

だれかがここに金印を持ってきたのか。それとも遺跡がまだ見つかっていないだけなのか。

金印公園
ゆったりできる公園です。
博多湾がきれいに見えます。

小高い丘になっていて、周囲は公園として整備されています。一番上まで上がって、見下ろすと博多湾がきれいに見えます。

金印公園から少し行くと蒙古塚も。この志賀島は元寇の合戦の地にもなったんですね。意外と建てられたのは昭和の初めの頃のようです。

金印海道を進みます。
蒙古塚

金印海道を歩いて勝馬へ

さて、金印海道はまだまだ続きます。志賀島は岩で出来ているということもあり、島の周りは岩場に囲まれています。そんな岩場に降りる階段がいっぱいあり、降りてみると本当にいろんな海の生き物を見ることができます。

博多湾は波も穏やかなので、観察には最適の場所です。

結構な岩場になっています。
がんがぜっぽいですね。
むこうに見えるのは玄界島かな。

しばらく行くと勝馬の集落が近づいてきました。直前で大きな坂になっており、峠みたいな感じです。

ちなみに坂の途中に自然探索路があり、大崎展望台へと行くことができました。こうやって道を逸れて自由に散策できるのも、歩いて探索することの醍醐味ですね。

ここで左に逸れます。
大崎展望台から。あんまり見えない…か
下に広がるのは国民休暇村です。

勝馬

志賀島の勝馬地区は国民休暇村があって宿泊できるようになっており、さらにそのホテルの向かいには大きな海水浴場があり、水質はかなりよさそうな感じでした。

こんなにきれいなところなら、博多からほど近いことを考えても、海水浴のシーズンにはかなり多くの人が来るんでしょう。とはいえ、冬でも結構多くの人がホテルに泊まっているみたいでした。

国民休暇村。かなり大きいですね!!泊まってみたいです。
海に下りていけます!
海水浴場。水がとってもきれいです。

海岸沿いに歩いて行くと、志賀海神社の沖津宮もあります。島なので行くことは出来ないんですが、干潮の時には渡れる様になるんでしょうか。

沖津宮
これは志賀海神社の中津宮

金印海道を歩いて志賀海神社へ

さて、金印海道を引き続き歩いて志賀海神社の西岸を歩いていきます。島も勝馬を過ぎると博多湾ではなく玄界灘沿いを歩くので、海が荒々しくなってきます。

ちょうど来たときは冬だったんですが、波が荒く時折波しぶきがあたりそうなほどです。

玄界灘の玄は黒を意味するそうですが、確かに黒いです。日本海のような感じです。

すごい岩だ… 近づきたいのですが、波が荒いです。
荒れてます。山陰の日本海みたいな感じだ。
どぱーん
二見岩。岩に穴が開いてますね!!

道は海岸沿いぎりぎりの所を行く感じ。歩道がないので少し歩きにくいです。実際、徒歩で来る人は勝馬からは金印海道を逸れて島の中を歩き、潮見公園の展望台へと向かう人が多いみたいです。

またこの辺りは西側と違って海に降りることが出来るところが少ないです。いつも荒れている感じで危ないんでしょうか。

歩道が少し狭いのと、波がかかりそうなぐらい高い時があります。
でも、本当にきれいな島です。間違いなくお気に入りの島ベスト10に入ります。

志賀海神社から潮見展望台へ

志賀海神社に戻ってきました。

展望台からはかなり景色が望めると聞いたので、神社から山を登り、展望台へと向かいたいと思います。途中、元寇の時に高野山の僧がモンゴル軍の退散を求めて護摩を焚いたと言われる火焰塚にも立ち寄っていきます。

結構な山を登ります。
火焰塚

火焰塚からは潮見公園まで10分ほど。かなりの坂ですね。自転車出来ている人はこの坂はかなり厳しいんでしょうね。標高は180mなのでそんなにたいしたことないのですが。

さて、ということで潮見公園。確かに、博多湾や砂州のあたりがとてもよく見えます、きれいですね!! 島を歩くっていうのも、本当に楽しいんですよね。志賀島もとても満足でした。

展望台です。
砂州がきれいに見えます。
博多市内も見えます。

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