北山杉【京都の木】
京都府の木って知ってますか?日本的だし、松の木かなと思うかもしれませんが、実は違うんですよね。
京都の木というと杉。それも京都の北山地区で育てられる北山杉です。京都市の北部に行くと、この北山杉の森が本当に綺麗です。
北山杉とは?
北山杉が京都府の木ですよなんて言っても、京都の町を歩いていて杉の木なんかないですよね。確かに、この北山杉は京都市の中心部にはほとんどありません。
あるのは京都の市内からバスで30分ほど北に行ったところ。高雄からさらに山の中に入った中川と呼ばれる地区とその周辺の北山と呼ばれる地域です。
結構山の中ですが、実は鷹峯街道が中川から京都市内までつながっており、古来から若狭・丹波からの輸送の道として頻繁に使われていました。この道を通れば、中川から京都市内までは徒歩30分程度とかなり近道をすることができます。
これらの北山杉は枝を切り落とすと言った手入れをしながら、30~50年の栽培期間を経て伝統的な和室の床柱などに使われます。
始まったのは千利休が京都で茶を始めた室町時代の終わりごろで、主に茶室や数寄屋造り(修学院利休や桂離宮)などによく使われました。今では純和室もそれほど見なくなり、需要が下がっているようですが、たまにお寺とかで見ることがあります。
北山杉は一本の杉をまっすぐいわば普通の育て方をしているものもあれば、台杉と呼ばれる特殊な育て方をしているものもあります。
台杉にすると、1つの幹から複数の木が生えるため、どれかを切ったとしてもまだ残りがいくつかあるので、効率的に木を育てることができるんですよね。
そして、こうして北山杉からとれたものは丸太として使われ、絞り丸太や磨き丸太として変わっていきます。
磨き丸太vs絞り丸太
北山杉からとれる丸太には磨き丸太と絞り丸太があります。
磨き丸太とは皮をむき、磨かれて表面がつるつるになった丸太のこと。手触りがすばらしく、本当につるつるです。
一方、絞り丸太というのは表面にぼこぼこがあるものを言います。
絞りの中でも大半が人口的に凸凹を作ったもので、これは伐採の数年前におはしと呼ばれるものを木に巻き付けて凸凹を作り出していきます。
日本は不完全なものを好むので、このでこぼこした自然の不完全感がいいんでしょうか。
天然の絞り丸太はごく一部みたいですね。
人工的なものはめちゃくちゃ高いわけではないのですが(それでも結構しますが!!)、天然の絞り丸太だと挿し木することでしか増やせないため、数に限りがあり、かなりの高級品。中には、一本数十万円するものもあったりします。
確かにこの奥深さ、そしてこだわり、まさに京都の木ですね。どこか貫禄も普通の木と違うような気がしてきました。
*写真を撮らせていただき、説明までしてくださった京北のおとうさんたち、どうもありがとうございました。
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