紀州街道を歩く 2: 大阪~堺
紀州街道は大阪と和歌山をつなぐ街道で、大阪の泉州地域はこの紀州街道を中心に発展していきました。今回はその紀州街道を新今宮から堺までを歩きます。
紀州街道
大阪から住吉大社へ
前回は堺筋を大阪高麗橋から新今宮まで歩き、今回はその続き。新今宮を出て住吉大社を通り、堺までを歩きます。紀州街道は大阪府泉州地域のメインストリートとして、たくさんの見どころがあります。
新今宮の駅からは看板があるのでわかりやすいです。ただし、ここから1キロの区間は西成警察署や三角公園など新今宮の中でも最もコアなあいりん地区を通過します。
新今宮から20分ほど歩くと天下茶屋です。
天下茶屋のあたりまで来ると、立ち寄りスポットが沢山あります。
ちなみにこの天下茶屋という名前は秀吉が住吉大社を参拝した際に、このあたりの茶屋で休息し、出された茶の味に感動。天下人の「天下茶屋」が現在の地名の由来になっています。今でも、天神の森付近には天下茶屋の跡が残っています。
天神森天満宮は紹鴎の森に覆われた神社で、千利休の師である武野紹鴎の茶室がありました。
住吉大社
玉出からは阪堺電車(ちん電)沿いに道を歩いていくと、すぐに住吉大社に着きます。熊野街道の時も阪堺電車沿いに歩きましたが、あの時は上町線。今回は阪堺線沿いです。この2線はちょうど住吉大社の前にある『住吉鳥居前』で合流します。
住吉大社は摂津一の宮神社で、大阪では最も大きな神社。神功皇后や住吉三神を祀る神社で、住吉三神が海の神であることや昔はこの辺りが海岸に近かったことから、海運業の人から厚く信仰されている神社です。
紀州街道を歩いている人もきっとこうやって住吉大社に立ち寄ったんでしょうね。
大和川を渡る
さて、住吉大社からは細井川を渡り、安立(あんりゅう)商店街を通って南に下っていきます。安立商店街は一寸法師の発祥地と言われています。御伽草子の一寸法師(原本)でも、確かに子供ができない夫婦が住吉で子供を祈願するシーンがあるといえばあるのですが、そこから来ているんでしょうか。
昔はこの安立の辺りまで海岸線で、白砂青松が大変美しいところだったと言われています。現在は松の木はほぼ全くなく、海はここから西に5kmほど行かないと見えてきません。どれだけ大阪に埋立地が多いのかわかりますね。
さて、大和川まできました。大阪市と堺市の境界になっており、この大和川を渡れば泉州地域って感じでしょうか。
この紀州街道が通るのは大和橋。大阪の橋は大半が町民が架けた町橋だったのですが、この大和橋は江戸幕府によってつけられた公儀橋で、大和川に架かる唯一の公儀橋でした。
今では長さ200mほどの橋ですが、あまり趣がある感じではなく、橋もどこか小さいです。
堺へ
さて、堺市に入りました。今では堺市も広く南海高野線の堺東駅が最も発展していますが、昔は堺というと、堀にかこまれた南海堺駅周辺が中心地でした。
堺に入ると北旅籠町と呼ばれるところを通りますが、この辺りには鉄砲鍛冶屋敷などの古い町並みがまだ多く残っています。堺といえば、その昔は鉄砲の一大産地だったのですが、鉄砲が不要になった江戸時代からは刃物を生産し始め、今では堺といえば刃物と呼ばれるほどの場所になりました。
急に大きな道に出てきます。これが大道筋。堺の中心部を南北に貫くメインの道で、紀州街道はこの大道筋を歩きます。
大道筋まで出てくると、歴史ある堺市の真ん中を通る道なので、多くの見どころがあります。開口神社や南宗寺などの寺社仏閣や千利休や与謝野晶子など有名人の邸宅もこの大道筋沿いにあります。
真ん中の方までくると、大小路があります。南北に横断する道が大道筋なら東西に横断するのが大小路筋。
西高野街道や竹内街道はこの大道筋と大小路筋の交差点より始まり、高野山と奈良県の桜井までそれぞれ続きます。昔は住吉大社によってから高野山に行く人も多く、紀州街道でここまで来てから西高野街道を通って高野山へ行く人も多くいたみたいですね。
もうすこし南に行くと宿院です。この宿院という名前は、近くに住吉大社の宿院屯宮があるからで、住吉祭のときには住吉大社の神輿が紀州街道を歩き、大和川を越えてここまで下ってきます。
この宿院交差点ではフェニックス通りと交差しますが、日本の道100選にもなっており、とても大きな道です。
さて、堺の中心部はこの宿院付近まで。ここからだと南海電車の湊駅がすぐ近いです。
ここから紀州街道は堺を抜けて浜寺、泉大津とさらに南に向かっていきます。
紀州街道 2
住所 |
|
ウェブサイト |
|
行きかた |
大阪側: JR・南海電車 新今宮えきすぐ 堺側: 南海電車堺駅徒歩5分 または阪堺電車大小路すぐ |
歩行時間の目安 |
3時間
|
入場料 |
|
おすすめ度 |
☆☆ (コアなファンにおすすめ) 住吉大社はじめ、泉州の歴史を堪能できるコースです。 |
コメントを残す