稲佐の浜【国譲りの地】

出雲大社のすぐ近くにある稲佐の浜。とても美しい海岸で、夏には多くの海水浴客も訪れるのですが、実はこの稲佐の浜こそ、大国主と建御雷神(タケミカヅチ)が国譲りの話し合いをした有名な海岸です。

国譲り

国譲りは天津神である天照大神が国津神である大国主から国を譲り受けるという神話。もともとこの日本は大国主らが支配するところであり、天照大神はその国を譲り受けるため、建御雷神らを天から遣わせました。

大国主(左)と大物主(右)。大国主は出雲大社に祀られています。

建御雷神らは伊邪佐の小濱(=稲佐の浜)に降りたち、そこで大国主に国土を渡すよう言います。そこで、大国主の2人の息子である事代主と建御名方にも許可を求めに行くのですが、事代主は快諾。

しかし、建御名方は快諾せず、建御雷神と力比べで決めることになりました。

建御名方が建御雷神の手を取ると、建御雷神の手は氷のように、そして剣のように手が変わり、建御名方が降参します。

こうして、大国主は国を譲ることを認め、この国は天照大神たちのものになりました。

稲佐の浜

稲佐の浜は出雲大社から『阿国の道』を歩いて20分ほどのところにあります。

途中、歌舞伎の祖といわれる出雲阿国の墓をはじめ、いろんなものがあるのであまり歩いていても退屈しない道です。

出雲大社の前のこの道をまっすぐ海へと進む感じです。
見えてきました!!

さて、歩いているとすぐに稲佐の浜に到着です。とてもきれいな海岸ですね。特に夕陽がきれいなことで知られていますが、夕方に来たらほんとに綺麗なんでしょうね。

この稲佐の浜こそが古事記のも登場する伊邪佐の小濱です。ここで国譲りが行われたんですね。

水がとってもきれいですね!!
神聖な砂として持って帰る人も多いんですよね。

10月は神無月と呼ばれますが、出雲では神有月。これは全国の神が出雲に集まるからとされているのですが、その神々の上陸の地こそ、この稲佐の浜です。今でも旧暦の10月10日には『神迎え神事』が行われます。

海岸を見渡してみると、砂浜の真ん中にあるのが巨石。なんとも弁天島と呼ばれる島です。近づいてみると鳥居があり、小さな祠があります。明治までは弁財天が、そして神仏分離以降は豊玉比古命が祀られています。

弁天島。

奉納山公園へ

さて、時間と体力に余裕があれば行ってみたいのが奉納山公園の展望台。歩いて15分ぐらいですが、坂が結構きついです(車でも上がってこれるみたいです)。

この展望台は標高70mほどの小高い丘になっていてとても見晴らしがいいですね。

なかなかきつめの坂を上ります。

向日にうっすら見える山が三瓶山。古事記ではなく、出雲の風土記ではくにびきの神話があり、八東水臣津野命が国土を広げるために新羅から『国来、国来』といいながら島に綱をつけて引っ張って来たとされています。

その綱をつないだのが、三瓶山。そして綱は海岸になってしまったんだとか。

奥にうっすら見えるのが三瓶山。右に砂浜がずっと続いています。

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