京都府

穴太寺【西国観音霊場二十一番札所】

京都から電車で20分。JR嵯峨野線に乗って、嵐山の山を越えて京都市の隣の亀岡市に入ると、京都の市内とは違った田園風景が広がります。そんな田園風景の中に、西国観音霊場のお寺である穴太寺があります。

穴太寺

亀岡からバスに乗り、穴太口から降りて、穴太寺まで歩くこと約10分で穴太寺に到着です。田舎の景色が本当にきれいな場所です。それほど大きい寺ではないんですが、結構人がいました。やっぱり西国観音霊場は人気ですね!!

穴太寺までの道。田舎ですね!!
穴太寺の山門
穴太寺の山門。17世紀中期のもの。

穴太寺は705年、文武天皇の命により、薬師如来を本尊として大伴古麿が創設したと伝わります。

平安時代には、宇治宮成が仏師を招いて観音菩薩を造立。宮成はその礼に馬を差し出すのですが、惜しくなって仏師を射殺し、馬を取り返してしまいました。そして、宮成が家に帰るとそこにいたのは矢が刺さり赤い涙を流した観音菩薩であり、観音菩薩が仏師の身代わりになり、そして宮成が罪人となることも防いだと言う「身代わり観音」のお話が伝わります。

のちに、この観音菩薩は穴太寺の薬師如来に傷をいやしてほしいと願い、この穴太寺に祀られるようになったそうです。

宇治宮成の墓。
寺紋は梅なんですね!!

穴太寺の本堂もそれほど大きくありません。実は亀岡は明智光秀の居城があったところでもあるので、戦火に幾度となく巻き込まれました。なので、寺のほとんどは江戸時代中期ごろに再建されたものです。

小さいのでゆっくり見て回ることができます。
穴太寺の本堂

なお、500円払えば、本堂に入ることができます。本堂の内部では本尊の薬師如来(絶対秘仏)は見ることができません。聖観音立像については盗難され、行方不明。早く返してほしいものです。

しかし、その隣には釈迦涅槃像がありました。なんと、この仏様は布団に入っており、布団をはがして自分の傷んだ場所をなでるとよくなるらしいです。寝ているのを無理やり起こすなんてという気もしましたが、涅槃が意味するのは『煩悩などに打ち勝ち、輪廻から完全に開放された姿』なので、すやすや寝ているわけではないんですよね。

なお、この穴太寺には室町時代に作られた庭があるのだが、残念ながら冬季の間はやってないみたいですね… 見たかったんですが!!

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