安倍文殊院【日本三大文殊】
奈良の桜井市。桜井市には本当に魅力が多いのですが、その魅力の1つが安倍文殊院です。宮津の切戸文殊(知恩寺)や山形の亀岡文殊と並んで、日本三大文殊として知られ、その巨大な文殊菩薩像はまさに圧巻です。
安倍文珠院
安倍文珠院の最寄り駅は近鉄またはJRの桜井駅。駅からの道は結構わかりにくかったです。
安倍文珠院の歴史は大化の改新で左大臣になった安倍倉梯麻呂が安倍一族の氏寺として645年に建立したのがはじまりです。安倍一族の発祥の地として知られています。
かなり歴史のあるお寺なのですが、17世紀に松永久秀による焼き討ちにあい、本尊の渡海文殊菩薩以外のほぼすべて焼失。現在のお堂はすべて江戸時代以降に建てられたものとなっています。
安倍清明も安倍家としてこの寺と関わりがあるんでしょうね。境内には安倍晴明をまつる神社もありました。晴明は母が狐とも言われたり、大阪府の阿倍野出身だとか言われていますが、なかなか謎が多い人物ですね、
おもしろいことに、境内に古墳がありました。奈良では古墳が本当に多いのでよくあることなんでしょうか。特に、文殊西古墳は1400年ほど前に作られたものであり、築造当時のままの状態になっています。中に入ると石がまるでピラミッドのような均等に削られ、組み合わされています。
圧巻の渡海文殊群像
安倍文殊院は日本三大文殊として知られていることからもわかる通り、文殊菩薩を本尊としています。知恵の神として信仰されており、試験合格を祈願したたくさんの絵馬が飾られていますね。
本堂に入ると(拝観料が必要です)、そこで文殊菩薩を見ることができます。多くの有名寺院は本尊を公開してませんが、こうやっていつでも本尊が見ることができるのは本当にうれしいですね!!
なお、本堂に入る前にお茶と和菓子のサービスもありました。おいしかったです。
お茶と和菓子の接待を受けると本堂に入るのですが、お坊さんが仏像の案内をしてくれます。
そして、中には本尊の渡海文殊群像。文殊菩薩が海を渡って布教する様子の仏像ですが、まさに圧巻です。いろいろなお寺に行きましたが、こんな仏像は見たことがありません。
ここの文殊菩薩は1203年に仏師快慶によって作られたもので、巨大な獅子に乗っています。その大きさは獅子を含め7m。また、メインの文殊菩薩以外に4人の脇侍がおり、それらはすべて国宝(ただし、乗っている獅子や維摩居子像は17世紀に再建されたもの)です。
とても近くで見ることができるのですが、それぞれが非常にユニークな表情をした仏様です。
なお、本堂には文殊菩薩以外にも、元多武峰(談山神社)の本尊である釈迦三尊像もあります。いずれにせよ、ここに来たら絶対に本尊は見て帰ることをお勧めします。
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