粉河寺　【西国三十三所第3番札所】

粉河寺はJR和歌山線の粉河駅から歩いて10分ほどのところにあります。

粉河駅からは『粉河とんまか通り』が駅前からお寺までずっと続いています。この『とんまか』は粉河で行われる祭りで、紀州三大祭りとして知られています。

粉河寺と言えば、国宝の『粉河寺縁起絵巻』が有名ですね!!そこには粉河寺の始まりが描かれており、770年に大伴孔子古が創立したと伝わります。

ある日、孔子古のもとに１人の子供(童男大士)がたずねてきて、家に泊まらせてほしいと言いました。孔子古が泊まらせてあげると、子供は宿のお礼のために千手千眼観音菩薩を作り、それが粉河寺の本尊となりました。

大門をくぐると本堂まで長い参道が続きます。こうやって参道が長い方がなんとなく好きです。この粉河寺では参道に沿って、たくさんの堂宇が並びます。

粉河寺は1585年の秀吉の紀州攻めの際に根来寺と共に秀吉と戦い敗北し、寺は焼失。現在の建物は紀州藩出身の第8代将軍徳川吉宗による再建です。なので、堂宇のほとんどが18世紀のもののようですね。

粉河寺庭園

本堂の前にあるのが粉河寺の庭園。本堂が少し高いところにあるので、その段差を利用した立体的な庭園です。

紀州の石を配置し、一風変わった庭園を表現しています。京都の禅庭園とは違い、ダイナミックな感じがします。外国人には禅庭園が人気ですが、こうやった岩を使った力強い庭もとてもいいですね。

そして本堂へ

粉河寺の本堂は1720年に建てられたもので、かなり大きいです。一重屋根の礼堂と二重屋根の正堂がくっついて本堂になっています。園教寺や長谷寺の本堂もかなり大きいですが、それよりもさらに大きい気がします。

粉河寺の本尊はわずか5.4センチの非常に小さな千手千眼観世音菩薩。残念ながら、秘仏になっています。訪問時には、内陣に入って国宝の粉河寺縁起絵巻の写本を見ることができただけでもよかったです。

お寺の境内から少し上がったところには粉河産土神社がありました。この神社は大伴孔子古の子である大伴船主が作った神社。紀州三大祭りの『粉河祭り』も毎年7月下旬にこの神社で行われます。