十津川村と十津川温泉【関西で最も美しい秘境】
関西と言えば、もうほとんどの市町村を訪れた気がするのですが、やっぱり一番の秘境と言えば、十津川村ですね。都会とは無縁なゆっくりとした場所で、自然にあふれ、素晴らしい温泉もあるようなところで、リラックスするには最高の場所です。
十津川村ってどんなところ?
十津川村は日本で最も大きい村です。奈良県の地図を見れば、南にどでかい村があるのがわかると思いますが、それが十津川村。奈良県の5分の1の大きさを占めます。
面積は672.4平方キロメートルで、これは琵琶湖と同じぐらいの大きさで、東京23区より少し大きいくらいです。しかし、その96%は山で、人口はたった3000人。周りは1000m級の高い山々に囲まれています。
十津川村は時には自然災害で大変な影響を受けてきました。1889年には大水害で村は甚大な被害を受け、当時の政府の方針で村の人々の多くが北海道へ引っ越し、新十津川村を開きました。
また、最近の水害では山崩れが多くの場所で起こり、土砂が河に流失。緑のきれいな清流が、場所によっては流出した土砂で濁ってしまっています。
十津川村はただの田舎民なのかというと、決してそうではないんです。壬申の乱で、大海人皇子側(のちの天武天皇)を加勢したり、幕末では『十津川郷士』と呼ばれ、薩長土佐などといった雄藩と共に御所を警備したりもしていました。
なかなかユニークな歴史があるんですよね。
十津川村にバスで行く
十津川村に行く方法として有名なのがバス。とはいえ、十津川村までずいぶん遠いです。
大和八木駅から新宮行のバスに乗り、4時間ぐらいでしょうか。このバスは途中で御所駅や五条駅(五条バスセンター)も経由するのでそこから乗ってもいいのかもしれませんね。
五条から乗れば、3時間で十津川温泉に到着します。ちなみに、大和八木からだと約120こ目(!!!)のバス停です。五条からは深い紀伊半島の山の中をひたすら走ります。
なお、バスは座席指定制や予約制ではなく、普通の路線バスのような感じ。ただ、長期間乗るための奈良交通の配慮でしょうか、席はすこしゆったりしていますが、高速バスようなゆったり感じではありません。バス内にトイレはありません。さらに、一日数便程度しかありません。
ちなみにバスは、十津川村の北部の上野地にある谷瀬の吊り橋で20分の休憩をします。実際にわたってみるとかなり高く、なにより山間部にあるので、風でかなり揺れます。高所恐怖症なら立ちすくんでしまうでしょう。
ただ、バスで来ると、十津川村内ではバスの便がほとんどないので、村内での移動がしにくく、だいぶ歩くかタイトなスケジュールを組むかという感じになってしまいそうです。
十津川村の魅力
十津川村の観光地や楽しむべきポイントは多くあります。
十津川村の魅力その1: 十津川温泉
十津川村といえば、温泉です。江戸時代から始まる温泉地であり、温泉地としての歴史はそれほど古くはありませんが、その湯量が豊富なことから、薄めたりせずそのまま使用しており、温泉としての質は非常にいいです。
十津川村には大きく分けて3つの温泉地があります。湯泉地温泉、上湯温泉、十津川温泉です。十津川温泉が村の中心部にあり、私たちが泊まったのも十津川温泉。その他の温泉地はバスで行くには少しアクセスが悪かったような気がします。
十津川村の魅力その2: 熊野本宮大社に行く
熊野本宮大社は熊野那智大社、熊野速玉大社とともに熊野三山を形成する山です。那智大社も速玉大社も駅からそれほど遠くなくて、アクセスは悪くないんですが、この本宮だけはかなりアクセスが大変。
ちなみに私たちは大和八木からバスに乗って熊野本宮まで向かい、昼頃に神社に到着。そして、夕方の村営バスで十津川温泉まで引き返して宿泊しました。
また1日2本のみですが、本宮に行って十津川村に泊まるのもいいですよね!!
十津川村の魅力その3: 大自然
十津川村に来るとわかるんですが、もう本当に自然が豊か。高い山々に囲まれ、十津川が村の中心を流れます。
ちなみに人気のアクティビティとしては、ここから熊野古道を歩くことなんでしょうか。20kmなので、およそ1日の距離で熊野本宮大社まで歩くことができます。
ちなみに十津川には野猿と呼ばれる面白い乗り物があります。昔はこんな感じで川を渡ったんだとか。結構手の力がいります。
十津川村の魅力その4: ローカルな食べ物
十津川村は山々に囲まれていることから、平地が少なく、米などがあまりとれないようです。また、地元の川魚であるアマゴやアユをつかったものやイノシシを使ったボタン鍋は十津川村では有名です。
さらに、ゆうべしと呼ばれるおもしろい食べ物もあります。これはゆずの中にゴマやみそなどいろいろなものを詰めた保存食で、なかなか独特な味がしますが、お酒によく合っておいしいです。
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