竹内街道を歩く2: 古市~長尾神社
最古の官道と言われる竹内街道。この街道は堺と飛鳥を結び、古代の外国からの使節はここを歩いて首都を目指しました。前回は竹内街道の中でも比較的住宅地の中を先から古市まで歩きましたが(前回のパートはこちら)、今回は古市から竹内峠を越え、終点の長尾神社までの最も街道らしさが残った10キロを歩きます。ここまでの平坦な道とは異なり、二上山の麓を行くので、結構坂になっている部分もありますが、途中にコンビニなどもあるので、とても歩きやすいところです。
竹内街道
古市 – 上ノ太子
竹内街道の後半は古市駅からスタートです。近鉄阿倍野駅から南大阪線に乗って20分ほどで到着しますが、鶴橋や難波から出る近鉄大阪線や奈良線は通らないので注意です。
古市駅から上ノ太子駅は1時間ほど。南河内を流れる有名な川である石川を超えるとこれまでの住宅街から田舎の風景へと変わっていきます。竹内街道がこれから超える山も見えてきました。
もうこの辺りまで来ると奈良と大阪の県境も近く、金剛山地がそびえます。山の斜面にはブドウ畑が広がっており、この羽曳野と羽曳野の北の柏原は山の斜面を利用したブドウの生産がとても人気。本当に多くのところでブドウが栽培されています。夏にはブドウ狩りをやっていてるところもあり、結構おいしいんですよね!!(柏原ブドウ狩りのポストはこちら)
さて、上ノ太子駅到着です。上ノ太子というのは、河内三太子という聖徳太子に関係の深いお寺(叡福寺、野中寺、大聖勝軍寺)のうち、叡福寺を指します。竹内街道は近くを通るので、行ってみてもいいのかも。聖徳太子のお墓がある大きなお寺です。
上ノ太子駅はしばらく国道166号線に沿って歩きますが、途中歩道がないところがあり、交通量も多いので結構危険です。その後、竹内街道は小さな道に入っていくので、少しわかりにくいです。細い道に入ると古い家も多く、街道らしい雰囲気があります。街道らしい雰囲気があったのは全体を通してここぐらいなのかも。
王陵の谷
太子町もだいぶ東まで来て、もうすぐ竹内峠の登りかなという辺りは王陵の谷と呼ばれ、7世紀辺りに飛鳥時代に活躍していた天皇、具体的には用明天皇、敏達天皇、推古天皇、孝徳天皇などの墓と聖徳太子、小野妹子の墓があります。どれも日本史で超有名な人物ですね。全部い結構時間がかかるので、興味があるやつに行って見るといいのかも。ただ、どれも古墳時代末期の古墳なのでそれほど大きくはないです。
竹内峠
さて、竹内街道に戻り、道の駅「近つ飛鳥の里・太子」を過ぎると、再び166号線に合流し、竹内峠へと向かいます。いよいよ二上山を越えて奈良向かいます。きつい登りではないですが、だらだらと登りが続く感じ。すぐ北を走る暗峠に比べれば断然楽です。
竹内峠を登りきると、大阪府太子町と奈良県葛城市の県境。この県境がちょうど竹内峠の頂上って感じです。北には二上山、南には岩橋山がそびえ、この峠のところで、これらの山々を縦走するダイヤモンドトレイルと合流します。国道の脇には小さな休憩所もありました。ちょうどお昼ご飯を食べるにはいいのかも!
ここまでは166号線を歩いてきましたが、降りる時には人通りがほとんどないような小さな道を通って降りていきます。
峠を越えたらもうすぐゴールって感じです。あとはずっと道を下っていくだけです。竹内街道といえば、やっぱり関西でもベストなお寺である当麻寺には行っておきたいのですが、当麻寺は竹内街道沿いにあるわけではなく、北に15分ぐらい行かないといけません。
竹内街道の終点: 長尾神社
そしてとうとう終点の長尾神社です。この長尾神社はあまり有名な神社ではないのですが、実はこの神社はかなり古い神社で、9世紀にはこの地に存在したことが知られています。街道沿いにあるので、交通や旅行の安全として知られた神社です。鳥居の下には蛙の石像があり、安産祈願として蛙を撫でるのが習慣になっています。
今回は古市駅から長尾神社まで、5時間程度で歩けました。堺から26キロでとうとう竹内街道の終点です。26キロなら頑張れば1日で竹内街道が歩けそうな気がしますが、古墳やらお寺やらいろいろ立ち寄ると1日で終わらせるのは無理そうですね。ただ、看板なども多くしっかりと整備されており、とてもいいコースでした。竹内街道はこの長尾神社で横大路に接続し、横大路は奈良盆地を横切って桜井まで向かいます。横大路も是非歩いてみようと思います。
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