黄泉比良坂【黄泉への入り口】
古事記を読めば、様々な伝承が出てくるのですが、その伝承の地が実在することも結構よくあるんですよね。中でも黄泉比良坂は黄泉の国の入り口として、神話の伝承地が多く残る島根県に存在します、
黄泉比良坂
黄泉比良坂はJRの松江駅から15分ほどの揖屋駅が最寄り。山陰本線なので、電車は1時間に1本ほどでそこまでアクセスは悪くないです。さらに揖屋駅から歩いて15分ほどで黄泉比良坂。駅からは案内があったりしてなんともユニークです。
黄泉比良坂というのは、黄泉の国の入り口です。イザナミは火の神である迦具土の出産後にやけどで亡くなってしまったんですが、夫であるイザナギはイザナミに会いに行きます。しかし、そこで見たのは死の国で変わり果ててしまった妻の姿。絶対に姿を見ないでほしいと頼んでいたのに、姿を見られてしまったイザナミは怒ってイザナギを追いかけます。
イザナギは命からがらイザナミから逃れたところで、黄泉の国の入り口となっている黄泉比良坂を岩で封印するんですよね。
しかし、死の世界の入り口が実際に存在しているというのは何とも面白いですね。
国道9号線から少しだけ上がると黄泉比良坂。入り口には桃の木が植えてありました。
イザナギはイザナミの軍勢から逃れる時に、桃の実を3つとって投げると逃げていきました。そして桃の実に意富加牟豆美(おおかむずみ)という名前を付けました。
桃の実っていうのは古来から神聖なものとして考えられていたんですよね。だから、林檎太郎でも梨太郎でもなく桃太郎なんでしょうか。
ここにあるのが黄泉の国をふさいでいると思わせるような巨石。千引の岩です。
イザナギは桃の実でイザナミの軍勢を追い払うのですが、最後にはイザナミ自身がイザナギを追いかけてきます。そこで、イザナギは巨石で黄泉の国をこの千引の岩で封印します。
2人は最後にこの岩を挟んで言葉を交わすのですが、イザナミは「こんなことをするなら、そっちの国の人を一日千人殺してしまおう」と言い、イザナギは「そうするなら私は一日に千五百人の人を作ろう」と言います。
日本の神話において最も重要な場面の1つ。神話好きならここには絶対に来ておきたいですね。
ちなみに、この黄泉比良坂のちょうど手前は分岐になっており、山の中へと入っていくことができます。
黄泉の国に続く道である伊賦夜坂で、古事記では黄泉比良坂の別名ともされています。結構恐ろしい感じもしますが、勇気を出して行ってみました。
途中、塞の神があり、うっそうとした森を通ります。そして、この森を抜けると… (2024年にはこの道は途中で通行止めになっているようです)
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