奈良県

山の辺の道・北コースを歩く: 奈良~天理

山の辺の道というと、日本最古の道として知られており、天理から桜井は有名なハイキングコースとして知られています。

しかし、山の辺の道って実は奈良から始まっているんですよね。ということで、今日はその山の辺の道・北コースの奈良から天理までを歩いてみたいと思います。

10km程度の短い道ですが、見どころは多いです。

山の辺の道・北コース

新薬師寺~円照寺

山の辺の道・北コースが始まるのは新薬師寺から。新薬師寺は奈良駅より結構遠くて、歩いて30分ぐらいのところにあります。

新薬師寺は新とありますが、新しいという意味ではなく、霊験あらたかという意味で、十二神将像と薬師如来で知られるお寺です。仏像好きにはかなり有名なお寺なんですよね。

ここから南下して天理へと向かいます。距離はだいたい12~3kmぐらいでしょうか。山の辺の名前の通り、山々に沿って南に行きます。

新薬師寺
新薬師寺。大きな寺ではないのですが、仏像好きにはたまらないお寺です。
高円山
高円山かな??
百毫寺
椿で有名な百毫寺も。

しばらく行くと、県道80号線の大きな道に出ますが、左折して少し行った後、鹿よけの柵を開けて降りていきます。

結構、風景が田舎な感じになってきました。

鹿よけの柵
鹿よけの柵

しばらく行くと、鹿野園です。この辺りは釈迦が悟りを開いた仏教の聖地である鹿野園(サルナート)に似ていることから、そう名付けられたと言われています。池のほとりを歩きますが、のどかなところです。集落の中には大和棟の民家も見ることができます。

平尾池から
平尾池から
竹藪を通る山の辺の道
こんな竹藪も歩きます。
矢田丘陵と生駒山
生駒山と手前にあるのは矢田丘陵かな。

こんなところに祟道天皇(早良親王)陵がありました。祟道天皇は天皇と呼ばれてはいるものの、実際に天皇になったことはなく、皇太子の時に奈良から京都へと遷都した藤原種継の暗殺事件に加担したとされ淡路に配流。その間に絶食して自殺しまった人物です。天皇の死後、疫病が起こったり不運なことが相次いだので、天皇の号が送られました。

こんなところに陵があったとは知りませんでした。完全に塀で覆われており、中の様子は見えません。なんか封印されているような雰囲気です。

祟道天皇陵
陵墓は鳥居があることが多いんですが…
八つ石
八つ石。道路の真ん中にありますが、動かすとたたられるのだとか
祟道天皇陵付近
天皇陵の近くはすこし独特な雰囲気が流れます。

円照寺

祟道天皇陵からは竹藪に入っていき、円照寺に着きます。奈良で中宮寺や法華寺と並んで、有名な門跡寺院(皇族が住職をつとめた寺院)です。

あの三島由紀夫の最後にして最高の作品である「豊饒の海」に出てくる月修寺のモデルにもなったお寺。これだけ有名なのに、残念ながら非公開です。残念!!

円照寺
円照寺。非公開なので、門から先は入れません。
円照寺からの道
階段を登っていきます。

円照寺~弘仁寺

円照寺からはのどかな奈良の田舎を歩いていきます。しばらくは目立ったお寺も古墳もないのですが、景色はとってもきれいです。

山の辺の道と言えば、南コース(天理から桜井)を意味することが多く、北コースはほとんど聞かないのですが、意外とコースは整備されていて看板も多く出ているので、迷うことはないのかも。

竜王池
竜王池
山の辺の道の風景
矢印の方向に進みます。まぁ、看板はあるんですが。
山の辺の道の風景
山がきれいなんですよね。

弘仁寺

弘仁寺に到着です。弘仁寺は奈良の十三参りのお寺として有名です。本尊は他の十三参りのお寺と同じく、もちろん虚空蔵菩薩。814年に建てられた歴史あるお寺です。

なお、山の辺の道は境内を抜けていきますが、境内に入るのに拝観料を払う必要がありますが、せっかくなので立ち寄っていくことをお勧めします!!

弘仁寺への道
階段を上がって弘仁寺へ
弘仁寺
弘仁寺。門のところに拝観料を入れていく感じ

弘仁寺は算額でも有名で、算額とは算数の問題やその答えを絵馬に記して奉納したもの。今でもこのお寺には大きな算額が残っています。

算数が得意ならやってみるといいのかも!!ただ、桁がすごいことになっていますが。

弘仁寺の本堂
本堂はかなりどっしりしています。

弘仁寺~石上神宮

弘仁寺からは大きな道を通って、白川ダムへと行きます。ひっそりとしてあんまり人がいないので、ゆっくり歩いて楽しむことができます。

途中の白川ダムでは釣りをしている人がたくさんいました。ヘラブナ釣りが人気なところみたいですね。

山の辺の道の田舎の風景
田舎だなぁ
白川ダム
白川ダム。そんな大きなダムってわけではないですね。
名阪国道
名阪国道の下を通ります。あの名古屋から大阪まで行ける無料の高速みたいな道。

名阪国道からは道が少し細くなり、わかりにくいです。注意して進む必要があります。この辺りには石上大塚古墳(石室が見れます)やウワナリ古墳なんかがありました。さすが奈良ですね。古墳はもうそんじゅうそこらにある感じです。

ウワナリ塚古墳
ウワナリ塚古墳。ブドウ畑の中にあるみたいです。
山の辺の道の竹藪の道
またきれいな竹藪を通ります。
山の辺の道の風景
この日は本当にいい天気でした。

もうほとんど天理ですが、やはり天理に来ると天理教関連の建物が多いですね。『ようこそおかえり』とあるのは、天理教では天理こそが万物の発祥の地だからなんだとか。

しばらく大きな道路(天理環状線)を歩きますが、途中で大きな道からは逸れて細い道へと入っていきます。なお、途中に豊田山城への分岐があったのですが、行きませんでした。山城なので、結構登っていくのが大変のようです。

天理教の施設
天理教の施設かな?
山の辺の道の看板
こんな細い道を入っていきます。

最後に布留の高橋を渡ると石上神宮に着くのですが、この布留の高橋は影姫の伝説で知られるところです。影姫は武烈天皇に求婚されますが、影姫にはすでに平群鮪(へぐりのしび)が恋人としていました。しかし、武烈はそれに怒り、鮪らが無礼だったことを思い出し、殺してしまいました。影姫はこの山の辺の道をたどって、亡くなった鮪に会いに行ったそうです。

布留の高橋はこのあたりにかかっていたようですが、場所までは特定できていないようです。ただ、高橋という名の通り、ずいぶん高いところに橋がかけられています。

布留の高橋
布留の高橋

布留の橋からは森を抜けて石上神宮。今回は結構あっという間だった感じがします。

石上神宮の森
最期は森の中を抜けていく感じ
石上神宮
石上神宮。

さて、石上神宮に到着しました。奈良を出てから5時間ぐらいでしょうか。距離的には15キロほどだと思います。看板もしっかりと設置されており、非常にわかりやすい道でした。山道ではないのですが、とても歩きやすくていいハイキングでした。ここから山の辺の道・南コースが続きます。

石上神宮のにわとり
石上神宮にはいっぱい鶏がいます。どれもなかなかの美しさ。

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