大阪府

京街道を歩く final: 守口~高麗橋

さて、三重県桑名から続く東海道から山科で京街道に入り、とうとう最終回になりました。今回は守口宿を出て、終点である大阪までを歩きます。途中、大阪でも古い町並みが残るところを通りますが、商店街なんかもあったりして散歩するにはかなりいいコースです。

京街道を歩く final: 守口~高麗橋

千林、野江へ

地下鉄谷町線の守口駅を降りたら、そこは守口の宿場。京街道における最後の宿場です。

ここの宿場はなかなかユニークで、豊臣秀吉が淀川沿いに気づいた文禄堤という堤防の上を歩きます。もともとこの堤防はここからずっと大阪の長柄まで約25kmほど続いていたようですが、今では現存しているのがこの守口付近のみの700m程度です。

京街道の守口
京街道
文禄堤
高架になっているのが京街道。堤防上の高いところを歩きます。
守口宿 高札場
高札

守口宿から少し歩いて京阪東通商店街。商店街の中を抜けていきます。街道が商店街の中を行くというのは、比較的よくあることで、街道沿いに街が発展していたことの名残なんでしょうか。

休日の朝早くなので、まだあんまり人はいませんでしたが、ほかの所と違って、ここは結構繁盛してそうです。

商店街の真ん中には守居神社があります。

京阪東通商店街
京阪東通商店街。京街道と書いてありますね!
守居神社
守居神社
京阪東通商店街
シャッター通りって感じではなさそうですが

ここからはしばらく国道1号線沿いに歩き、太子橋今市駅を超えたあたりでとうとう大阪市に入ります。京都の山科から歩いた京街道も、とうとう大阪市。長かった街道もそろそろ終わりです。終わりに近づいてくると結構さみしくなってくる気がします。

大阪市との市境
大阪市!!

再び狭い道へ入って千林商店街へ入ります。千林商店街は大阪でも最も有名な商店街の1つで、東西に600m広がる大きな商店街です。

京街道は南北に行くので、わずか数1分程度しか商店街を通りませんが、探検してみると30分か1時間程度はかかる大きな商店街です。あのダイエーの発祥地でもあり、とにかく売られているものが安い。とてもユニークな商店街です。

千林商店街
千林商店街

関目の辺りは街道が国道からそれて小さな道へ入っていきます。道はグネグネしていますが、これは関目の七曲りと呼ばれ、秀吉が大阪城防衛のためにまっすぐ進めなくしたものだそう。もう大阪城も近いんですよね。

関目神社
関目神社。この辺りは道が少しややこしいです。

野江まで来たらあと一時間ほどで京橋。JRおおさか東線を超えて、さらに野江水神社を過ぎていきます。水神社とはなかなか面白い名前ですが、この辺りはたびたび水害が発生しており、三好政長が守護神として水の神を祀ったのが始まりだと言われています。

どんどん風景は大阪らしいものになってきました。住宅がひしめき合っている感じです。

野江水神社
野江水神社。この辺りに三好政長がつくった榎並城があったとされているんですが、何もみあたらず。
榎並の町並み
榎並の町並み

京橋へ

リブ・ストリートは京橋中央商店街。この商店街が新京橋商店街ともつながり、京橋駅前に広がる大きな商店街です。難波や梅田ほど大きな町ではないですが、京橋駅付近は大阪でも有名な飲み屋街です。ちなみに少しややこしいのですが、駅の京橋はここにありますが、橋としての京橋はここから1キロほど進んだ先の大阪城付近にあります。ただ、「京橋」といったときにはこの京橋駅付近を指すことがほとんどです。

リブストリート
京橋のリブストリート。大阪らしい雰囲気があります。
真実の口
真実の口。橋に京街道とありますね!!
グランシャトー
京橋はええとこだっせ!!グランシャトーがおまっせ!!

JRと京阪京橋駅の間の道をとおりぬけ、あとはまっすぐ広い道を進むだけ。昔、このあたりを流れていた鯰江川沿いに進みますが、川は埋め立てられています。川の片方にだけに家が建っていたので、このあたりは片町と呼ばれ、昔はJR片町駅がありましたが、JR東西線ができてなくなってしまいました。

左手には大阪城が見えてきました。もう終点って感じです。

片町
片町。地名だけは残っています。
OBP
OBP(大阪ビジネスパーク)

そしてとうとう京橋です。一応、京街道は高麗橋まで続きますが、江戸時代まではこの京橋が終点とされてきました。目の前には大阪城の京橋口が広がります。残念ながら京橋口の門は大阪大空襲で焼けてなくなっていますが、多くの人はこの橋を見てやっとついたと思ったことなんでしょうね。

京橋と大坂橋
京橋口が車道。右上にかかるのが大坂橋。大阪が京都を見下ろしています。
大阪城
大阪城。遠かったなぁ!!

高麗橋

高麗橋はこの京橋口からさらに歩いて15分ほど行ったところにあります。川沿いにある小さな橋ですが、大阪から続く奈良街道や紀州街道など多くの街道がこの高麗橋から始まりました。京街道もここが終点。この橋を越えると大阪の中心地である船場です。

高麗橋
高麗橋。この橋が大阪のすべての街道の始まりです。

さて、ということで長かった東海道・京街道歩きもこれで終わり。山科からだと55kmで意外と遠かった気がします。今では、京都から大阪なんて電車であまりにもすぐなんですが、昔の人は1日か2日ほどかけて歩いたんでしょう。途中には本当に様々な見どころがありました。

知らないところを歩くのはとても楽しいですね。

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