泉涌寺【御寺】
京都の南は東山エリアと比べると観光客が少なく、京都の中でも隠れたスポットになっています。しかし、実はこのあたりにも古いお寺が多く、見どころは多く存在します。その1つが泉涌寺です。『御寺』と呼ばれ、古くから皇室と関係を築いてきた泉涌寺は京都中で有名なお寺の1つです。
泉涌寺の歴史
泉涌寺の歴史は空海が作った小さな草案、法輪寺にはじまると言われるが、よくわかっていません。1218年には月輪大使俊芿が、この地に大伽藍を造営し、この時に境内より泉が湧いたことから、泉涌寺と名付けられました。
泉涌寺は皇室から大きな尊敬を受け、四条天皇が祀られて以後、皇室の菩提所として、広く信仰され、安土桃山・江戸の天皇のほとんどはこの泉涌寺で葬儀が行われています。そのことから、御寺と呼ばれるようになりました。
なお、廃仏毀釈後、陵墓は全て国に没収され、今では天皇や皇后の葬儀は一切行っていないようです。
泉涌寺
泉涌寺は、東福寺駅から歩いて15分ほどのところにあります。東福寺の賑やかさとは対象的に泉涌寺は静かな場所です。総門の入り口から、多くの塔頭が並びかなり長い参道を歩いていきます。
門からは坂が下へと続いています。門から境内へと下るとういのは珍しいですね。坂を下ると仏殿と舎利殿が並んでます。
仏殿の中には運慶作と伝わる大きな釈迦三尊像(あみだ、しゃか、みろく)があり、その上には狩野探幽によるすばらしい龍図もある。残念ながら、写真撮影はできません。
仏殿の後ろには舎利殿があります。中国から持ちかえった釈迦の歯を祀るお堂で、それ以外にも鳴き竜や韋駄天などいろいろな魅力があるのですが、通常非公開です。辰年のみ公開されています。となると、12年に1度です・・・。
泉涌寺の一番奥には御座所と呼ばれる建物があります。ここはお墓詣りに来た天皇や皇族が過ごすための場所で、実際に今でも訪れることがあるようです。明治17年に京都御所から移築されたもので、中には6つの部屋があり、狩野派による江戸時代の襖絵があります。
その他のスポット
楊貴妃観音堂
泉涌寺の門を入ってすぐの坂を下る前にある小さなお堂があります。これが楊貴妃観音堂です。楊貴妃は世界三大美人として知られ、玄宗皇帝が楊貴妃を偲んで作った坐像にかたどった聖観音菩薩が祀られています。1230年に南宋から持ち帰ったとされています。
月輪陵
霊明殿の横の細い道を進んで奥に行くと、月輪陵があります。すでに泉涌寺のものではなくなっており、パンフレットにも載っていないのですが、泉涌寺の境内の奥に存在します。
残念ながら天皇陵なので、毎度ながら近くまで近づくことはできません。ただ、中にはかなり多くの墓があるようなのは外からでもわかります。
泉涌寺のアクセス情報
住所 |
京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
|
行き方 |
JR・京阪電車東福寺駅から徒歩15分。駅からは九条通りに沿って赤十字病院へと歩き、泉涌寺道の交差点から泉涌寺道の坂を上がっていったところにあります。
|
拝観時間 |
9:00~16:30 (冬季は16:00まで)
|
拝観料 |
500円
|
そのほか |
|
コメントを残す