大阪府

西国街道を歩く 2: 高槻~箕面

京都から始まり、西日本を横断する西国街道。今日はそんな中でも大阪の北部を東西に縦断し、箕面までを歩きます。意外な発見も多く、なかなか楽しい道のりです。

西国街道を歩く2: 高槻~箕面

芥川宿

高槻駅を降りると北口から出て5分ほど歩けば西国街道です。高槻の駅前はJRも阪急もかなり発展していて、まさに北摂を代表する都市の1つという感じです。

西国街道はここから大阪の北部を、大阪市を通ることなく縦断していきます。この大阪の中心を通らないということが結構重要なんですよね。

駅前から歩いてすぐのところには上宮天満宮があったので、道中の安全を祈願していきます。上宮天満宮は境内に竹林を持ち、本殿が竹製のユニークな神社です。

高槻駅前の町並み
高槻の駅前。朝早いので、まだ人はあまりいません。
上宮天満宮
上宮天満宮へ。
上宮天満宮の境内
ゆっくりしたいですが、先を急ぎます。

駅前の西国街道はかなり大きな広い道ですが、すぐに街道らしい細い道になります。西国街道は国道171号線沿いに箕面まで続きますが、大半は171号線に並行して走る旧道を行きます。

ちょうどこの辺りは芥川宿と呼ばれ、19世紀には旅籠が33軒ほどあった中規模の宿場だったようですが、今では古い家が少し残る程度。本陣跡もほとんど分からず、言われなければ宿場町かどうかすらも気づきません。

芥川宿
芥川宿の町並み。
芥川一里塚跡
芥川一里塚跡。
芥川から見たポンポン山
向こうに見るのはポンポン山かな

途中、嶋上郡衙跡がありました。古代の山陽道に面して奈良時代から平安時代にかけて郡の役所があったところです。残念ながら中に入ることはできないようですが。

嶋上郡衙跡
嶋上郡衙跡

今城塚古墳

歩いて1時間ほど行くと今城塚古墳。ここは古墳好きでなくても是非立ち寄っておきたいところ。

というのも、今城塚古墳は前方後円墳で、墳丘まで入ることができます。しかも、なんと調査の結果、継体天皇陵の可能性が濃厚なんですよね。天皇陵で入れるのは日本中探してもここだけです!!

街道沿いにはコンビニもたくさんあるので、ここで朝食やお昼ご飯を食べるのがお勧め。休日には家族でピクニックしていたりのんびりしていたりする人がたくさんいます。

今城塚古墳
綺麗に整備された公園です。
今城塚古墳
散歩やジョギングしている人が多いですね。

茨木市へ

西国街道をもう少し進むと茨木市へ入り、すぐに藍野大学があります。

そして、その藍野大学の後ろにあるのが太田茶臼山古墳。今城塚古墳ではなく、この太田茶臼山古墳が継体天皇陵だと長く考えられていましたが、のちの研究結果で今城塚古墳の方が継体天皇陵の可能性が高いということになりました。

考古学ってなかなか難しいんでしょうね。特に年代の比定なんかに関しては。

藍野大学近くの西国街道の碑
西国街道の碑。後ろは藍野大学の校舎。
継体天皇陵
継体天皇陵

この太田茶臼山古墳を越えた辺りから、JRや阪急は大阪市に向かうので南へと向かいますが、西国街道は大阪市を通らないので、そのまま西へ向かい、大きく離れていきます。

しばらく茨木市を横断していく感じです。茨木市は本当に大きいですね。南北にかなり大きいですが、東西にもなかなかの大きさがあります。

阿為神社お旅所
阿為神社お旅所。阿為神社は藤原鎌足に所縁のある神社です。
白井河原合戦跡
白井河原合戦跡
安威川
安威川を渡ります。
亀岡街道と西国街道の分岐
亀岡方面へ向かう亀岡街道とここで分岐。

郡山宿

西国街道の宿場の一つが郡山宿。残念ながらここもそこまで宿場らしい雰囲気は残っていないのですが、奇跡的に本陣が残っており、西国街道では現存する数少ない本陣のうちの1つです。

門の側に椿の巨木があるので、椿の本陣とも呼ばれています。

郡山宿
郡山宿へ。
椿の本陣
椿の本陣(右)。1722年に再建されたものです。
椿の本陣と椿の木
左に椿の木。めちゃくちゃ大きいですね!!
椿の本陣
本陣以外は結構住宅街って感じです。

郡山から少し歩くとモノレール彩都線の豊川駅。万博公園からさらに北にある駅なので、西国街道がどれほど大阪市内から離れたところを歩いているかよくわかりますね。

この豊川駅を超えると箕面市です。

モノレール豊川駅
豊川駅。

箕面市

箕面市に入ると小野原の辺りは西国街道沿いに古い家や常夜灯が時折あって、道も石畳風に整備されています。なんか街道らしい雰囲気ですね!!

箕面といえば、箕面の滝ですが、滝があるのは山のほう。西国街道からは1~2時間ほど離れたところです。

楠水龍王
楠水龍王。楠正成が湊川へ向かう際、ここで水を飲んだのだとか。

途中、勝尾寺の鳥居がありました。勝尾寺は西国観音の1つで、北大阪を代表するようなお寺です。ここからさらに山の中に4kmほど行ったところにあります。ここから向かうのが表参道なんですね。

参道沿いには町石が建っているのですが、町石も実はかなり古いもので、そのうちの8つは日本最古のものなんですよ。

勝尾寺 一の鳥居
ずーっと行けば、勝尾寺。

のどかな田舎を歩きますが、途中突然交通量が一気に増え、道路の周辺にお店が多く出てきます。それがちょうど箕面キューズモールのところで、南北を貫く大きな道路は新御堂。

新御堂に沿って地下鉄御堂筋線が延長されることが決まっており(2023年、開通しました!!)、このキューズモールのところに箕面萱野駅が新設される予定です。

御堂筋線もすいぶん遠くまでくるようになりました。ただ、これより北部に行くことはないでしょうね。

箕面キューズモールと御堂筋線
キューズモール(左)、右が地下鉄になる予定。

箕面市の西国街道沿いのみどころの1つが萱野三平邸。萱野三平はここで生まれ、赤穂浪士として主君の浅野内匠頭の仇討に加わりましたが、父重利に猛烈な反対を受け、悩んだ末この館で自害してしまいました。

現在は涓泉亭と呼ばれる博物館となっていますが、休日は休みです。

萱野三平邸
萱野三平邸

近くには彼のお墓もあります。

そういえば、カルピスの創業者である三島海雲氏もこの箕面萱野の出身でしたね。

萱野三平墓所
萱野三平墓所

箕面・瀬川へ

萱野三平邸を過ぎると瀬川まではもうすぐ。瀬川は箕面市の西端なので、箕面市を横断したということになるんでしょうか。

この箕面市は田畑が広がる、田舎らしい景色を残したとてもきれいなところですね。

御堂筋線が延伸した後はこういった田舎らしい景色も全てなくなってしまうんでしょうか。少し残念な気がしますね。

西国街道からみた千里中央の町並み
向こうは千里中央かな。
南山北公園から見た箕面の町並み
南山北公園から。のどかな感じです。
箕面を行く西国街道
街道らしい感じ。
牧落高札場跡
牧落高札場跡。箕面大阪道と交わります。

阪急箕面線の桜井の駅前まで来ると、大きな道が広がります。この広い道に沿って北に広がる住宅地は阪急が箕面有馬電気鉄道と呼ばれた20世紀初期に開発した住宅街。その時からずいぶんと時間は立ちましたが、今でも閑静な住宅街です。

桜井の駅は小さいですが、電車は15分に一本程度来る便利なところです。梅田までも20分ほど。

牧落八幡宮
牧落八幡宮。おっきな木です。
阪急桜井駅へと続く道
道が広くなればもうすぐゴール。
阪急桜井駅
桜井駅到着です。

さて、ということで、今日はここまで。5時間程度のいい散歩でした!!大阪の北部はあまり歩いたことがなかったので、なかなか面白かったです。

次はこの桜井の駅から芦屋までを歩いてみようと思います。

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