なにわなんでも大阪検定・勉強法【大阪検定1級合格者が語る】
大阪検定は大阪好きなら、一度は受験を考えたことがあるんじゃないでしょうか。このブログの著者は大阪検定1級に複数回合格し、商工会議所から『大阪の達人』の称号までいただいたのですが、大阪のことについて話せる人は誰もおらず、寂しく独学しています。
せっかく合格したので、そんな大阪検定についてここで話してみようかと思います。
大阪検定とは?
大阪検定とは正式には「なにわなんでも大阪検定」と呼ばれ、大阪に関するテストです。開催は一年に一回のみです。
昔は1級、2級などと試験問題が別れていたのですが、今では上級と初級に分かれており、得点に応じて上級なら1級、準1級、2級に。初級なら3級、4級に合格となります。初級は1問1点で100問、上級だと1点の問題や2点の問題、さらには2点の記述式の問題がいくつかあります。
ただ、京都検定のような論述式のものはありません。また、初級に受かっていなくても上級の受験が可能です。
合格するとさまざまな特典や割引があり、複数回合格すると商工会議所から表彰されます。
大阪検定の勉強法
さて、ではどんな勉強をしたのかということを少し紹介したいと思います。
1. 過去問をやる
過去問は大阪検定1回目から8回目までは問題集が売られています。過去問から出題されることも多いので、これらの問題集をほぼすべて覚えれば、上級ですでにそれなりの得点がとれると思います。私はもっと得点を伸ばしたかったので、問題集の解説にあるわからない事柄を1つずつwikipediaや図書館で調べました。ネットで調べればほとんど何でも出てくるので、本当に便利ですね。
2. 教科書を読む
いきなり教科書を読んでもよくわからなかったし、何から覚えればいいかわかなかったので、とりあえず問題集をある程度やってみてから教科書を読むと結構理解できました。
お年を召された方なら既に知っている知識も多いのでしょうが、スポーツ選手や古い漫才師などはそもそも聞いたことすらない人が大半で、かなり苦労しました。
教科書を全部しっかりやると、2級はもう間違いないと思います。
3. 指定された参考図書・テーマを重点的に学習する
毎回の試験で指定された参考図書やテーマが発表されますが、大阪検定ではこういったテーマや参考図書に関する事柄は結構細かいことまで聞いてくるので、重点的にやる必要がありました。
4. 時事ネタ対策も
新しいこと好きなのが大阪。大阪は日々変わり続け、新しいことが本当に多くあります。そんな時事ネタ(特に歌舞伎や文楽役者などのニュース)も大阪検定では毎年必ず数問は出ます。ここを完璧に得点源にしたい場合は、大阪のことを扱った大阪日日新聞のインターネットのサイトで毎日ニュースをチェックすると効果的でした。
5. 実際に行ってみる
やっぱり実際に行くのは大事ですよね。ちゃんと頭の中に残ります。後述の史跡以外にも、船場のレトロビル、道頓堀や中之島に架かる橋、大阪の街道、有名どころのお祭りや寺社など実際に本当にいろんな場所に行きました。やっぱり実際に訪れてみるとマイナーなところでも楽しいですよ。大阪はそれほど大きな県ではないので、電車に乗ってすぐに行けるところが大半です。
6. 歴史の散歩道を歩く
大阪市には本当に多くの歴史があり、史跡(大阪市役所のページに一覧があります。)も多く存在しています。初めから1級に受かるつもりだったので、史跡は全て行きました。
また、これらの史跡をめぐる『歴史の散歩道』と呼ばれる道があり、淀川・江口コースなど様々な大阪市内の史跡をまわるお散歩コースがあります。どれも結構長いですが、街歩きなので自分のペースで気楽に行けます。
また散歩コースがないところは自分でコースを決めて、史跡を回りました。歩きながら様々な知識を身に着けることができました。
大阪検定に役に立った本
大阪検定の過去問を一通り終えると、さらに大阪の知識をもっと得るために面白い本を見つけたら買って読んでいました。
その中でも読んでみて特に面白かった本や実際に試験に役に立った本をいくつか紹介してみようかと思います。
1. なるほど知図帳 大阪 (2006 旺文社)
大阪府の全市町村長のメッセージまであるなかなかユニークな本ですが、写真が多くなんとも読みやすいです。まるで高校の歴史の資料集のように見てるだけで面白い本で、タイトル通り「なるほど」にあふれています。そして出題されそうなネタにあふれているのもなかなかいいと思います。最初に大阪検定を受けた時には過去問以外にはこの本で主に勉強していました。
2. 大阪府の歴史散歩 上巻・下巻 (2007 山川出版社)
上巻が大阪市、豊能、三島そして下巻が河内、堺、和泉のことについてある本で主に寺社をはじめ歴史スポットについてかなり細かく書いてあります。大阪の歴史について書いてある本は数あれど、この本に勝るほど網羅している本はありませんでした。大阪検定には出題されないような細かい知識も多いですが、大阪通になるためにはこの本は欠かせないともいえる1冊だと思います。また、それぞれのチャプターが地域ごとにまとまっているので、地図を見ながら散策もできます。ある程度大阪の歴史を知らないと理解できないようなところもあったりするので、結構上級者向けだと思います。
3. なにわ橋づくし (1988 露の五郎著 朝日新聞社)
大阪といえば水の都。そんな水の都にかかる90近い橋をすべて解説したのがこの本。有名な橋はもちろん、心斎橋など川がない橋まで解説しており、大阪の橋の参考書ともいえるべき本です。落語家の方が書かれているので語り口調になっています。白黒ですが、写真も結構多くて読みやすかったです。
4. 大阪今昔散歩 (2010 原島広至著 中経の文庫)
昔の大阪と今の大阪の違いを絵葉書などを使ったて紹介した本。大阪検定で出題されそうな事柄も非常に多く書かれている本ですが、文字よりも絵が多いぐらいで、とても読みやすく楽しい本でした。楽しすぎて、読むと書かれているスポットに行って自分の目で確かめたくなるぐらいです。
5. 曽根崎心中 冥途の飛脚 天の網島 (2007 近松門左衛門著 諏訪春雄訳注)
近松門左衛門の作品はやっぱり読んでおきたかったので買いました。前半はこれら作品の現代語訳ですが、後半には原文もあり近松の代表作を近松の言葉で楽しむことができます。訳注が素晴らしいクオリティーなので、大学入試程度の古文の知識があれば、それなりに読めます。
6. 大阪鉄道大百科 (2017 Kadokawa出版)
鉄道の本はどれも関西圏とかで、大阪だけの本はあんまりなかったんですが、この本は大阪の電車に焦点を当てており、写真も多く面白かったです。鉄道のことは全然詳しくないですが、わからない人でもおもしろく読めました。
7. 大阪ものしり事典 (1994 創元社編集部編)
ちょっと古めの本ですが、大阪のことについて漫才から歴史まで幅広く取り扱っており、大阪検定にはかなり役に立った本でした。各事柄について短く簡潔にまとめてくれているので、とても読みやすかったです。
8. 大阪の20世紀 (2000 産経新聞大阪本社社会部著 東方出版)
最初に読んだ時にはほとんど理解できませんでしたが、今ではなんとなくわかるようになってきました。さすが新聞社なので、内容が細かく文章も難しい感じですが、幅広いテーマを取り扱っており、この本にしか書いてないようなことも結構ありました。
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