大阪府

初めて関西に来る人が知っておくべき関西の五大私鉄【関西の電車】

東京に初めて行った人がその複雑さに驚くように、関西もまた鉄道網がとても複雑。新宿とは比べものにならないものの、梅田や難波では迷ったりする人もたくさんいて、結局めんどくさいからJRで移動なんてこともあるんじゃないんでしょうか。

そんな関西で迷う人たちのために、関西の私鉄をご紹介します。

※この記事はいわゆる「鉄道好き」の人に向けて書いたものではなく、観光客に向けて書いているものです。

関西の私鉄について

その1.  JRよりも私鉄がメイン。関西は『私鉄王国』

東京では多くの場合、私鉄で都内に乗り入れ、都内では山手線や地下鉄で移動するなんてことが多いと思います。また、どの街もJRの駅が中心にあり、その駅を中心に街が発展しているなんてことが多いですね。

関西ではその逆で、私鉄が街の中心地や観光地のど真ん中まできていて、とても便利。また、JRの駅ではなく、私鉄の駅が街の中心にあるなんてところも多いです。

南海なんば駅
南海なんば駅。なんばと言えば、この駅です。
JR難波駅
JR難波駅。OCAT。難波でも少し外れたところにあり、人はあまりいません。

その2.大阪の主なターミナルはなんばと梅田

大阪は東京ほど大きな街ではないので、大阪の大きなターミナルと言えば、主に2つ。なんばと梅田です。

難波は地下鉄以外にも、南海、近鉄、阪神が乗り入れており、それぞれ和歌山、名古屋・伊勢、そして神戸に向かいます。それぞれの電車は地下道でつながっており、一直線の移動なので、移動は簡単です。

一方、梅田は地下鉄以外にも阪急や阪神が乗りいれる駅。梅田は中心に大きなJR大阪駅があり、少しややこしいです。特に地下鉄御堂筋線からの乗り換えの時には、阪神は南の改札から、阪急は北の改札から出ないと、乗り換えが難しく、梅田の地下を迷うことになります。

阪急百貨店
梅田の阪急百貨店。阪急百貨店から阪急電車には乗れません。

その3.  乗り入れしてる電車は少ないので、路線網は結構シンプル

関西と関東の私鉄の大きな違いは乗り入れの少なさ。そもそも私鉄が大阪のど真ん中まで来ているので、乗り入れする必要がないんですよね。なので、相鉄の西谷駅みたいな乗り入れがカオスになっている駅は関西にはありません。

いまのところ、観光客がよく使うもので、乗り入れているのは近鉄奈良線と阪神なんば線、地下鉄堺筋線と阪急京都線、阪神と山陽電車ぐらいでしょうか。

阪神と近鉄
難波駅。左が阪神、右が近鉄です。

乗り入れがほとんどないので、特急などの行先は「神戸三宮」「四条河原町」「奈良」など比較的わかりやすく、この電車、京橋行きますか?なんて迷うことはほとんどありません。

その4.  JRと私鉄で駅の名前が違う!?

関西で面白い(?)のが、JRと私鉄の駅の名前が違うところ。これは初めて関西に来た人はびっくりすることのうちの1つでしょうか。例えば、梅田ですが、これは大阪駅のこと。他にも、JR天王寺は近鉄阿部野橋駅と同じです。

阪急とJR
右が阪急梅田駅。その隣の左の建物がJR大阪駅。

でも、同じ名前になっているところもあります。JRの京都駅は近鉄の京都駅とつながっています。また、神戸の三宮はJRも阪急も阪神もすべて同じところですが、表記が「神戸三宮」だったり、「三ノ宮」だったり微妙に違います。

奈良はJR奈良駅と近鉄奈良駅が少し離れています。

その5.  ゆったり座れる電車が多め

関東では、多くの私鉄は乗降時のスムーズさを考慮し、ロングシートのところが多いですね。関西では快適性を追求して、転換クロスシートを採用しているところも結構あります。そのため、進行方向を向いてゆったり座ることができるのがうれしいところ。

JRも京阪神や奈良、和歌山への都市間の移動の電車はほぼすべて転換クロスシートです。ただ、田舎(特に和歌山)に行くとロングシートだったりします。

クロスシートの車内
関西ではこういった快適な電車でも追加料金は不要です。

とはいえ、ロングシートもそれなりに多く、同じ路線の同じ種別でも、電車によって違うなんてことも。

JR紀勢本線のロングシート
景色がきれいな電車でロングシートだとちょっと残念。

関西の5大私鉄

1.  南海

大阪で最も古い私鉄が南海。なんばから和歌山・関西空港行く本線と高野山に行く高野線があります。

関西空港に行く人はJRよりも南海を使う人が多いので、空港急行はキャリーケースを持つ人でいつも混雑しています。一方、本線は泉佐野から和歌山市間は結構空いています。利用人数の少なさからか、他の関西私鉄と比べ、運賃が少し高め。並行して走るJR阪和線の方が安いときもあります。

南海電車
南海。青とオレンジのラインが入った電車です。

高野山に向かう特急こうや、関西空港へ行く特急ラピートなど、特急の座席指定車は座席指定料金が必要です。和歌山方面に向かうサザンは追加料金なしの自由席があります。

ラピートは以前はがらがらでしたが、最近だと夕方や朝は満席です。

南海空港特急ラピート
南海の空港特急ラピートはとってもかっこいいんですよね。

2. 阪急

梅田(大阪駅)から京都、神戸、宝塚に行く電車。特に神戸の山の手の高級住宅街を通ることからちょっとリッチな人たちの電車として知られています。電車もマルーン色、座席はゴールデンオリーブ色で統一されており、ちょっと高級感があります。

とはいえ、どの路線も結構混雑が激しいです。

阪急電車
阪急。色が結構かっこいいです。

電車が結構速いので便利です。大阪から神戸の三宮まで30分。大阪から京都の河原町までは50分です。京都市では西部を走るので、嵐山方面や金閣寺・仁和寺などのある京都の北野、四条河原町は阪急一択。

特急は特急料金不要ですが、一部座席指定の車両もあり、ゆっくり移動することができます。また、阪急にはお得な周遊きっぷが多いのもうれしいです。

3.  阪神

なんば、梅田(大阪駅)から神戸へ行くのが阪神。阪急が神戸の山の手を走るのに対し、阪神は沿岸部を行きます。沿岸部の神戸は意外と庶民的。

阪神は神戸から神戸高速鉄道に、さらに神戸の西代駅から山陽電車に乗り入れており、山陽電車の終点姫路まで梅田から乗り換えなしで行けます。

阪神梅田行き
梅田駅。右の赤色の車両は山陽電車の車両で、特急姫路行き。

並行してJRの新快速があり、新快速と比べると時間はかかるものの、シーサイド切符などの格安切符をうまく使えば、JRもすいぶん安く明石や姫路を往復できたりします。

4. 京阪

京都へ行くなら京阪電車です。大阪の始発は梅田(大阪駅)の1つ南にある淀屋橋。ここから淀川の左岸沿いに京都へと行き、三条や四条といった京都の観光地を通ります。また、終点の出町柳からは鞍馬や比叡山にも行けます。大阪から宇治へのアクセスにもとても便利です。

ただ、沿線に大学が多いこともあってか、常に混雑しているイメージ。

京阪電車
関西では一番人気の私鉄でしょうか。

ちなみに、電車がちょっと遅いのが残念。カーブが多いんですよね。

一部の特急は2階建て車両にもかかわらず、特別料金はいりません。2階建て車両はとても静かです。混雑している場合はプレミアムカーの指定席もあり、京都から淀屋橋まで500円です。

京阪電車
二階建て車両だととても静かです。
京阪の座席指定車
京阪の座席指定車。ラッシュ時以外は空いているイメージです。

5. 近鉄電車

様々な会社を合併し、関西最大の私鉄の会社となった近鉄。大阪にターミナルが複数存在するため、少しややこしいです。奈良行くときは難波から、吉野に行くときは阿部野橋から。伊勢・名古屋方面はさらにややこしく、急行の場合は上本町から(難波から奈良線に乗って乗り換えられます)、特急の場合は難波から。

奈良から名古屋・伊勢方面へ行く際は、いったん南の大和八木まで行ったあと、そこで乗り換えます。

上本町
上本町駅。伊勢行きでも、停車駅の多い特急は上本町始発だったり…
近鉄電車
近鉄のほとんどの電車がこんな感じの色しています。

奈良や三重のあたりでは、JRが全然来ないので、近鉄での移動が◎。大阪発松阪いきの急行などの超長距離の電車もあったりします。

近鉄は週末乗り放題の週末フリーパスがお得。特急券を買えば、特急にも乗れます。他にもたくさんのお得な切符があります。

すべての特急で追加料金が必要ですが、観光用のしまかぜ、ひのとり、伊勢志摩ライナー、さくらライナー、そして通勤用のアーバンライナーなど様々な特急があり、本数も多いです。乗り心地もとてもよく、近鉄といえば近鉄特急って感じです。

アーバンライナー
名古屋へはアーバンライナーかひのとりか。いつも迷います。

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