奈良県

室生寺【シャクナゲと五重塔】

奈良と三重の県境の近くには室生赤目青山国定公園が広がり、美しい自然を楽しむことができます。そんな美しい自然の中に佇む古刹こそが室生寺です。特にシャクナゲが有名ですが、その堂宇や仏像のどれも非常に素晴らしいもので、訪日外国人にも是非おすすめのスポットです。

室生寺

室生寺は近鉄室生口大野駅を降りてバスで15分程度。駅からのバスの本数は少なく、山奥のお寺って感じがします。ハイキング好きなら室生古道なんかを歩いて行ってもいいのかもしれませんね。

室生寺が作られた時期は正確にはわからないようですが、一説では奈良時代より存在する古いお寺。

特に、高野山の金剛峰寺が長いこと女人禁制だったのに対し、5代将軍徳川綱吉の母桂昌院が室生寺の復興に大きく力添えをしたことで、女性の参詣が許されました。そのため、室生寺は女性高野とも呼ばれているお寺です。

室生川に架かる太鼓橋を渡って室生寺へ!
仁王門
仁王門。1965年の再建。立派な門ですね。

仁王門をくぐるとすぐに鎧坂。積み上げた石が鎧のように見えるから鎧坂と呼ばれているのですが、シャクナゲの季節にはこの辺りが最もきれいです。実は境内には3000株近くあり、4月の終わりから5月にかけて、本当にシャクナゲをきれいに見ることができます。

室生寺の鎧坂とシャクナゲ
鎧坂。この辺りのシャクナゲは本当に綺麗です。
シャクナゲとお寺ってなんでこんなにあってるんでしょうね。
しゃくなげとお地蔵さん

金堂と本堂

鎧坂を過ぎて上がってくると、弥勒堂、金堂そして本堂とあります。

室生寺は年から離れているためか、大きな戦火に巻き込まれたことはなく、それぞれのお堂には国宝や重要文化財レベルの多くの貴重な仏像が安置されており、まさに仏像好きにはたまりません。

弥勒堂には国宝で室生寺では最古の仏像である弥勒菩薩立像などが祀られており、金堂では本尊の釈迦如来立像、そして十一面観音像や十二神将像が並んでいます。まさに圧巻ですね。

室生寺の金堂
金堂。堂宇は平安時代のもの。建物も国宝。

本堂は灌頂堂とも呼ばれ、灌頂の儀式が行われる大切なお堂です。

中には平安時代に作られた如意輪菩薩が並びますが、この如意輪観音像は国宝にこそ指定されていないものの、観心寺に並んで、日本三如意輪のうちの1つで、非常に綺麗なお姿をしています。

室生寺の本堂
本堂。1308年の建立で、建物も国宝。

国宝・五重塔

本堂からさらに登っていくと五重塔です。

五重塔はとても古く、作られたのは奈良時代の終わりから平安時代の初期にかけてで、その当時のものが現存しています。日本で法隆寺について2番目に古い塔です。もちろん国宝に指定されています。

室生寺の五重塔
ただただ美しいばかりです。

さらにこの五重塔、実は日本で1番小さい五重塔なんです。五重塔といえば興福寺や東寺を思い浮かべますが、この2つはおよそ50m。この室生寺の五重塔はなんと16mしかありません。3分の1程度でしょうか。

ただ、実際に見てみると小さいと印象は全くなく、このシャクナゲの中に佇む美しさに圧倒されてしまいます。

奥の院へ

室生寺は五重塔からさらに奥の院へと続きます。

ここまではお寺らしい感じでしたが、奥の院になると結構山深い感じ。山岳宗教らしい感じです。無明橋を渡ると長い階段を歩いていきます。

奥の院へ
15分ほどかかります。結構遠いんですよね。

奥の院まで来ると弘法大師を祀る御影堂の他、懸造で迫力がある常燈堂もあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です