三井寺【園城寺】
滋賀といえば、琵琶湖が有名ですが、実は古いお寺もたくさんあるんですよね。特に、大津にある三井寺(園城寺)は西国観音霊場の札所としても有名で、広大な敷地にはたくさんの重要文化財や国宝があります。
三井寺
さて、京阪石山坂線の三井寺駅を降りてすぐにあるのが三井寺。JRだと大津駅が最寄り駅ですが、歩いて30分ぐらいかかります。
三井寺の駅からまっすぐ歩いてくると、仁王門から入ることになります。
三井寺は正確には園城寺と呼ばれています。その歴史は古く、686年に大友与多王が壬申の乱で敗れた父の大友皇子を弔うために建立したのが始まりです。
天台宗の僧、円珍(智証大師)がによって9世紀に再興。東大寺や延暦寺とともに本朝四箇大寺にまでなりました。
しかし、その後様々な戦禍に巻き込まれました。また延暦寺とは犬猿の仲になり、三井寺が『寺門』、延暦寺が『山門』と称して幾度となく戦となり、延暦寺によって度々焼き討ちをされていますが、その度に蘇っています。
金堂
さて、仁王門を入って階段を上がったすぐのところにあるのが金堂。三井寺のメインとなる場所ですね。三井寺の中の建物でも特に大きな建物です。
金堂は代表的な桃山時代に秀吉の正室北政所によって寄進されたものであり、国宝に指定されています。
本尊は弥勒菩薩で、天武天皇の念持仏だと伝わるもの。絶対秘仏となっています。その他にも多数の仏像が展示されており、なかなか見応えがあります。
金堂の裏には、三井の名前のもとになった井戸もあります。紀三井寺みたいに、井戸が三つあるのかと思ったのですが、ここでは井戸は1つ。この井戸が、天智天皇、天武天皇、持統天皇の産湯に使われたので、御井の寺と呼ばれ、それから三井寺となったんですよね。
そして、この金堂のエリアで見逃したくないのが、この鐘。三井寺の鐘は平等院のものと並んで、日本三大梵鐘の一つで、特にその音色がきれいなことで有名です。
この鐘は三上山のムカデ退治のお礼に竜宮から持ち帰ったもの。弁慶が比叡山に引きずって持って帰ってしまい、ついてみると『イノ―、イノー』となくので、気持ち悪がって捨ててしまい、谷底へ捨ててしまったと言われています。
たしかに、よく見ると、傷がついているような気がします。
なお、梵鐘はレプリカで、本物は金堂より登っていった霊鐘堂内に展示されています。
唐院を経て観音堂へ
実は西国観音の観音様は金堂ではなく、観音堂にお祀りされています。少し遠いですが、三井寺は山の中にあるので、なんとも気持ちが良いウォーキングを楽しむことが出来ます。
また途中に唐院がありますが、唐院は円珍が入唐して持ち帰った経典などを納めていた場所。三井寺を作った円珍の廟もあり、三井寺では最も神聖な場所と言えますね。
残念ながら、唐院は入ることができず、円珍の廟も見えません。これらの後ろには太子堂とよばれる建物が建ち、国宝黄不動が安置されるが、それも残念ながら見えないんですね。うーん、残念。
観音堂
そして観音堂です。ここが西国観音霊場の十四番札所。平安時代に円珍によって作られた如意輪観音坐像を祀っています。
ここから見える琵琶湖は本当にきれいですね。
コメントを残す