熊野古道・紀伊路を歩く 4: 山中渓~海南
大阪から熊野まで続く熊野街道。大阪から海に沿って下って紀伊田辺まで続く道は紀伊路と呼ばれ、中世から多くの貴族や天皇の熊野詣で利用された歴史ある道です。今日はこの紀伊路を大阪府最南端の山中渓駅から歩いて、和歌山県へと入り、和歌山市を抜けて海南駅まで歩きます。
※紀伊路の全行程の記録や他の熊野古道の記事はこちら!
熊野古道・紀伊路を歩く : 山中渓から海南
山中渓-紀伊
今日はJR阪和線の山中渓は無人の小さな駅でからのスタートです。この辺りは大阪環状自然歩道で何度か来ていますが、降りる人や乗る人はほとんどいない駅です。すでに大阪府の最南端の駅です。本数はそれなりにあるのが救いです。
ここから府道に沿って歩いていき、雄ノ山峠を通って、目の前にそびえる紀泉アルプスを越えます。大阪と和歌山の県境は紀ノ川だと思っている人がたまにいますが、県境はこの紀泉アルプスです。
大阪から和歌山に行く場合、国道26号線を通り、孝子峠(南海本線沿い)を抜けることがほとんどなので、歩いている人はもちろん車もあまり来ない道です。
山中渓から歩いて30分ほどで和歌山県・和歌山市にはいりました。ここまで坂という坂はほとんどなく、山道もありませんでした。和歌山県の県境を超えるとすぐに和歌山で初めての王子、中山王子です。和歌山に入ると王子の看板がとても立派なものに変わります。
峠を越えると、山口王子で、現在は山口神社に合祀されています。紀伊路はその山口神社の前をとおり、紀伊駅の方へと向かいます。途中、県道粉河加太線(7号線)沿いにあるきますが、道が狭く少し危険なので、この辺りは要注意です。県道をまっすぐ10分ほど行くと、JR阪和線の紀伊駅があります。
紀伊 – 伊太祁曽
最初は大阪市の市街地から始まった紀伊路も、和歌山に入ってからは田舎の雰囲気で、とてもきれいな道が終点の紀伊田辺までずっと続きます。山歩きの区間はそれほど多くはないのですが、海やミカン畑など和歌山らしいところを通り抜けていきます!!
川辺王子や中村王子はは紀ノ川の氾濫で王子社の場所が何度も変わっており、正確な場所が特定できないみたいですね。こんな大きい川なので、何度も氾濫していたんでしょう。紀ノ川を渡るとJR和歌山線の布施屋駅も近いです。この辺りは王子も多いので、見逃さないように注意しながらいかないといけません。
ちなみに、ここからまっすぐ西に向かうと和歌山市の中心地ですが、実は紀伊路は和歌山市の中心地から10kmほど離れたところを通り過ぎていきます。和歌山市には和歌山城などのみどころも非常に多いので、少し残念ですね。
ここから南下して、伊太祁曽神社へと向かうのですが、ここで山を越えます。山道の区間はわざか数百メートルもないですが、自転車の通行は厳しいのかも。山を下りると平尾王子、そしてすぐに伊太祁曽神社です!!
伊太祁曽 – 海南
さて、伊太祁曽神社に着きました。この神社は紀伊国の一宮として知られる神社で、伊太祁曽、日前宮・竈山神社の三社詣では古くから有名でした。すぐ近くに和歌山電鉄の伊太祁曽駅がありますが、この和歌山電鉄も元々はこの三社詣でのために作られた鉄道です。紀伊路はこの神社の目の前を通るので是非参拝して、旅の安全を祈っていきましょう。
海南まではここから一時間半程度です。あと少しでゴールです!!
松阪王子を過ぎてドライビングスクールの手前のところには、熊野古道の石畳がありました。もともと別のところにあったものを移設したようです。池に隠れて見えにくいので、見落とさないよう注意です。紀伊路は市街地を通っていることが多いので、こういった旧道があるのは珍しいですね。
さて、とうとう海南です!!汐見峠を越えると海南の駅付近です。海南駅付近に松代王子がありますが、井田児童会館(紀伊路沿いです)から入ったところの小高い丘の上にあります。かなりわかりにくいです。
松代王子から海南駅は10分程度。JR紀勢線の駅で、大阪方面へ向かう特急くろしおも停車する大きな駅です。和歌山までは普通電車でおよそ15分ほどのところです。
山中渓から6時間で到着しました。途中伊太祁曽神社をはじめ、見どころは多く、なかなか楽しい道だったと思います。今日はこの海南までにして、次は海南から藤代坂を通り、湯浅まで歩いてみたいと思います。紀伊路はまだまだ続きます!!
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