熊野古道・紀伊路を歩く 6: 湯浅~御坊
大阪市内から紀伊路をたどり、とうとう湯浅まで来ました。今回は湯浅を出発して御坊まで歩きます。この区間では最も難所といわれる鹿ヶ瀬峠を超えます。なかなかきついところですが、鹿ヶ瀬峠を越え御坊に着くと、あとは海辺沿いの道です!!
※紀伊路の全行程の記録や他の熊野古道の記事はこちら!
熊野古道・紀伊路を歩く 6: 湯浅~御坊
湯浅
今回は醤油で有名な街、湯浅駅から出発です。湯浅までは和歌山駅から40分ほど。大阪市内からだと特急『くろしお』で1時間半程度。なかなか遠くまで来ました。ここから御坊までは20kmちょっと。今日もなかなか長い道のりになりそうです。
湯浅は和歌山県中部の最大の都市の1つで、しょうゆでは特に有名な街。しかし、湯浅駅周辺にはコンビニがありません。そもそも和歌山では駅周辺にコンビニがあることの方がまれなので、食べ物とかはある程度自分で持ってきた方がいいのかも。
湯浅駅を降りると線路をくぐって、広川へと向かいます。
久米崎王子からは広川沿いに歩いていきます。この広川を超えると、湯浅から広川町に入っていきます。この辺りもみかん畑が多いです。冬のみかんの収穫の季節に来ると、道端にみかんを売っているスタンドがあるので、そこでかなり安く売ってますよ。5個入りで100円で見つけたので、1袋買っておやつにしました。とーってもおいしかったです!
井関(津兼)王子は高速の入り口にあり、少し場所がわかりにくいです。また、高速道路の建設に伴って場所も移動しているようです。この王子の近くの高速道路の入り口付近にローソンがあるので、そこで飲み物や食べ物を買っておくことをお勧めします。ここを逃すとあとは御坊の駅近くまでコンビニはないです。
河瀬王子まで来ました。この河瀬王子は五体王子というわけではないのですが、大きな岩が残っており、昔の雰囲気がまだよく残っています。昔はこうやってそれぞれの王子には岩など、自然の力を感じるものが置かれていたんでしょうね。
近くには地蔵寺のお地蔵は鹿ヶ瀬峠を登る背中を押してくれるというので、ここでしっかりお祈りして気合を入れていきます。あと地蔵時の近くにトイレがありました。
さて、とうとう鹿ヶ瀬峠に登ります!!
鹿ヶ瀬峠: 紀伊路の最難所?
鹿ヶ瀬峠は紀伊路最大の難所と言われ、紀伊路を旅した藤原定家も「崔巍の嶮岨」と嘆いたところです。とはいえ、今は登りはしっかりと舗装されている道です。おそらく、みかん農家関係の車が通るんでしょうか?
じゃあ、そんなに大変じゃないか、と思うかもしれませんが、2キロほどずっと坂です。きつい坂ではないのですが、いったいいつ終わるんだろうって感じがするところです。
そしてようやく頂上の大峠。300m登ってきました。わざわざこんなつらい道を来なければいけないのかと思うほどなかなかきつい坂でした。峠には特に眺望地があるわけでもなく、広場があるだけ。ここには峠を登ってきた人のため、茶屋もあったようですが、今となっては通る人もいないので、何もありません。今ではお地蔵さんと法華塔(すこし奥まったところにあります)があるくらい。昔ここで亡くなったお坊さんが死んだ後も法華経を唱え続けており、別のお坊さんがここを通った後にお経が聞こえ、供養されたというお話も残されています。
また、山頂には鹿ヶ瀬城という山城もあったようです。
鹿ヶ瀬峠からは紀伊内原、御坊の方に向かって下っていくだけ。途中、小峠がありますが、そこからは紀伊路最長の石畳が500m以上も昔のままで残されています。ただ、今はその石に苔が生えたり、きれいに残っているわけではないので、少し歩きにくいです・・・。御坊からは海を歩くので、紀伊路で山はこれが最後って感じです。
紀伊内原
鹿ヶ瀬峠から降りてくると、広めの道に沿って紀伊内原へと下っていきます。それほど見どころはないのですが、きれいなところで、歩いていてとても心地がいいところです。途中王子もいくつかあるので見逃さないよう注意です。
駅が近づいてくると内原王子神社があり、その中に高家王子があります。見落とさないように注意です。
御坊
紀伊内原駅はこの内原神社からすぐの場所にあるのですが、御坊まで行った方が特急も止まるので、便利だと思います。内原から御坊までは5km程度って感じです。内原を過ぎると山らしさはすっかりなくなり、住宅地らしくなってきます。道が少しややこしいので注意です。
愛徳山王子に続くあぜ道は昔の熊野古道がそのままの形で残っています。一見ただの犬の散歩道に見えますが、実は国の史跡で、史跡として登録されているのは御坊ではこのあぜ道と塩屋王子のみです。少しわかりにくいですが、愛徳山王子から北東にあるいて1分もしないところにあります。
このあぜ道は残っているのがわずか数百メートルなのですが、昔の紀伊路の雰囲気を味わうには十分な距離です。
さて、そろそろ御坊です。吉田八幡神社を通っていきます。ここの近くの夫婦が子宝に恵まれず、この神社で祈願すると子供ができ、後に文武天皇の后(宮子姫)になったとか。なお、その宮子姫が紀道成に作らせた寺こそが道成寺だと言われています。道成寺もこのすぐ近くなので、行ってみるといいのかも。和歌山で最も有名なお寺のうちの1つです。
海士王子を通れば、御坊駅ももうすぐです。
そしてとうとう御坊到着です。御坊は和歌山県中部では最大の都市の1つで、すべての列車がとまる駅です。湯浅からここまで7時間程度のハイキングで、時間的にも体力的にもちょうどよかった感じです。
なお、御坊駅の周辺には特に何もないです。というのも、御坊の中心地はJR御坊駅ではなく、紀州鉄道の西御坊駅なんですよね。西御坊まで行くと古い御坊の街並みが残っています。時間があれば是非行ってみればいいのかも!!
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