観音正寺【西国三十三所第32番札所】

安土の畑が広がる、のんびりとしたところに432mの繖山があります。この頂上に立つお寺こそが西国三十三箇所の第三十二番札所の観音正寺です。観音正寺は寺自体はそれほど大きくないのですが、観音正寺の山には日本五大山城として知られる観音寺城もあり、歴史の古い寺とお城を両方楽しめる場所になっています。

観音正寺まで歩く

安土の駅を降りて1時間ほど歩くと見えてくるのが、繖山です。安土駅から歩いてもほとんど平坦な道なのでそれほど辛くはないと思いますが、そもそも安土駅から歩く人はほとんどいないので看板もなく、少し道がややこしいので地図があるほうがいいのかも。

表参道はアクセスまでが大変ですが、裏参道から登る場合はバスがあるのでアクセスはそれほど悪くないです。

表参道は日吉神社の脇にある道から始まります。頂上まで車で行けるということもあって、歩いて上まで行く人はほとんどいないようですね。頂上まではずっと階段で1200段近くあります。すぐ近くにある西国三十三観音の長命寺の時に麓から歩いて登った時よりも少し長いという感じでしょうか。800段程度行くと駐車場があります。

観音正寺

さて、麓から歩いて45分でようやくお寺に到着しました。結構遠かったです…　西国で最難所と呼ばれる施福寺より大変な気がしました。

お寺まで来ると意外とかなりの人がいますが、どうやら観音寺城に訪れた人のようです。観音寺城は日本100名城にも選ばれており、人気ですね。ただ私たちは今日は観音正寺をメインに来ています。

観音正寺は聖徳太子が建てたとされる非常に歴史の古いお寺で、創建は605年にまでさかのぼります。聖徳太子が琵琶湖を訪れた際に人魚が太子の前に現れ、人魚が説明するには自身の前世は漁師であり、殺傷をしていたために人魚の姿になってしまったということ、そして観音を作って供養してほしいと主張しました。そして太子はその人魚の願い通り観音を作りお寺を作りました。それが現在の観音正寺として知られるようになりました。

本堂は明治期には彦根城の御殿を移設していたようですが、観音正寺は1993年の原因不明の火災で本堂、本尊、そして人魚のミイラなどを焼失。2004年に新しい本堂が作られました。そのため、境内の建物は比較的新しいものが多いです。

やっぱりこんな山の上だと自然災害も多いんでしょうね。本尊も2004年に作られたかなり新しめの千手観音で、常時公開されています。白檀でできた6mもある巨大な仏様でした。西国観音で本尊を見れるところはほとんどないので、ちょっと得した気分になりますね。ほんのり白檀のいい匂いがするような。

本堂の隣にはおおきな石垣がありました。観音寺城のものでしょうか？観音寺城は家臣を多く山の上に住ませ、まるで山の上に町があるかのように発展していたようですが、この観音正寺も山の上の町に組み込まれ、観音寺城に関係する人たちが多く訪ねてきていたんでしょうね。

なお、ここから観音寺城に行く人も多いのですが、観音寺城は日本有数の山城でかなりの大きさですが、行ってみるとなかなか楽しいですよ!!

観音正寺のアクセス情報