奈良県

今井町【寺内町】

寺内町といえば、関西に数多く存在するのですが、中でも最大の規模を誇るのが橿原市にある今井町。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえるすばらしい町並みです。

今井町について

今井町は橿原市にある寺内町。橿原市というと、本当に見どころが多い街です。

そんな橿原の地に、東西600m、南北310mのなかに500軒もの伝統的建造物が建ち、国の重要文化財も多数あります。そのため、重要伝統的建造物保存地区に指定されています。

ちなみに、寺内町で重要伝統的建造物保存地区に指定されているのはこの今井町と富田林だけなんですが、富田林よりずいぶん大きく、見どころもたくさんあると個人的には思います。

今井町はもともと、1533年に建てられた称念寺を中心に寺内町。称念寺は一向宗の布教を目的としており、一向宗は関西にたくさんの寺内町を形成しています。一向宗が石山本願寺の戦いで信長に降伏した後でも、自治権が認められ、周囲は環濠に囲まれていました。

称念寺。今でも大きなお寺です。

その後は、交通の要所にあったこともあり、今井町は堺と並ぶ日本の商業都市として発展。最盛期には今井町独自の今井札を発行し、「大和の金は今井に七部」と呼ばれるほど栄えていました。

今井町を歩く

今井町は近鉄の八木西口駅からすぐの所にあります。また、特急が止まる大和八木からも徒歩圏内です。

飛鳥川にかかる蘇武橋を渡ると、そこは別世界。江戸時代に建てられたたくさんの古い町家が並んでおり、この今井町は寺内町としては規模としても国内最大レベルです。

電信柱も地中に埋められており、まるで時代劇の世界に迷い込んだよう。実際に時代劇の撮影に使用されることも多いようです。

蘇武橋。奥に見える大きなエノキは樹齢400年。
蘇武井。今井町の人の大切な井戸でした。今は涸れているようですが。
これだけみると、どこか川越みたい。でも川越よりはるかに大きいです。

今井まちなみ交流センター華甍は少し離れたところにあるのですが、今井町の歴史や町並みを学べる資料館。もともとは今井町役場でした。

ここでマップやみどころなどの情報を手に入れスタートです。

今井まちなみ交流センター華甍。これは明治時代の建物。
とってもきれいな町並みです。
こまつなぎだ!
豊田家住宅の家紋。かなり立派なおうちです。

寺内町の中は車がほとんど来ないので、落ち着いて散策することが出来ます。歩きながらよく観察してみると、寺内町らしいものや江戸時代の町家らしいものもたくさんあります。

古い家は現在も住んでいるところも多いので、多くは見ることができないんですが、一部見学できるところもあります。また、古い家の中には、中にはカフェになっているものもあったりします。

しかし町家って比べてみると面白いんですよね。中二階になっているところやそうでないところ、虫籠窓の形もそれぞれで微妙にちがうんですよね。比べてみると本当にそれぞれ少しずつ違うのが面白いです。

高木家住宅(右)。江戸末期の建物。もう少し奥の右手には河合家住宅も。
町家が並ぶ景色は圧巻です。
豆腐屋さんまであるんですね。
とっても大きなカイヅカイブキ。

さて、今井町の西まで来ると今西家住宅。今井町で長年惣年寄の筆頭格を務めた家でした。家は城郭風で、「八ツ棟造り」の建物で、1650年の建築。屋根がなかなかかっこいいです。

内部の見学も可能なんですが、事前予約が必要とのことで残念。

横から見たら屋根が複雑になっているのがわかります。
今西住宅の近くに、環濠が残っています。

そういえば、あの三大茶人である今井宗久も堺で茶人となりましたが、この今井町出身。きっと風流な人も多く住んでいたんでしょうね。

 

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