長谷寺【奈良の花の御寺】
奈良の山奥にある長谷寺。伊勢参りの人のための伊勢街道が寺の前を通り、昔は多くの人が参拝に訪れました。
そんな長谷寺は現代になっても人気は衰えず、奈良で最も有名なお寺の1つです。
長谷寺
長谷寺は近鉄の長谷寺駅から歩いて20分ほど。駅からは大きな坂を下っていきます。寺が近づくと、長谷寺の門前町が広がり、活気があります。
長谷寺の始まりは686年。道明という僧によって創建されました。のちに、西国三十三観音の開基と言われる徳道が十一面観世音菩薩立像を祀りました。
数多くの文学作品にも登場する関西を代表するお寺の1つで、西国三十三所第八番の札所です。
入るとずいぶんと長い、399段の階段(登廊)が続いていますが、傾斜は緩やかなので歩きやすいです。
牡丹のきれいな時に来ると、階段の周りには牡丹が多く植えられ、見とれているうちにあっという間に到着してしまいます。
本堂へ
さて、長い階段を上がってくると本堂です。
現在の本堂は1650年のもの。内陣と外陣をⅠつにした双堂と呼ばれる形式であり、内陣と外陣の間には石敷の土間があります。あまり他の寺院では見ないスタイルですね。
双堂ということで、近くから見るとかなり本堂はかなり巨大に見えます。
徳川幕府による大規模な寺院建築の代表的なものとして国宝に指定されています。
本尊は室町時代の木造の十一面観世音菩薩立像。そして、その大きさもまた驚きです。なんと10mもあります。木製の仏像では日本で一番多きなものです。観音菩薩でありながら、右手には地蔵菩薩が持つような錫杖を持っていました。
また、本堂の前は清水の舞台のように懸造になっていて、長谷寺の周りの山々が一望できます。
長谷寺は本当に大きなお寺です。
奥の院
五重塔からさらに奥の方に行くと奥の院があります。そこで見たのが興教大師祖師堂。興教大師とは高野山出身で根来寺を作ったあの覚鑁のことです。しかし、なぜこんなところに覚鑁が??と思っていると、実は意外なつながりがありました。
実は1588年に豊臣秀長によって専誉という僧が根来寺から長谷寺に招かれ、根来寺が秀吉によって焼き討ちされた後に多くの根来寺の僧が専誉を頼って長谷寺に来たのだそうです。
智積院といい、根来寺も覚鑁もすごいですね。
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