古市参宮街道を歩く【外宮から内宮まで歩く】
日本で最も有名な神社である伊勢神宮。外宮から内宮を訪れるのが決まりで、多くの人は外宮からバスに乗って内宮へ移動しますが、昔は外宮から内宮まで歩くのが普通でした。今日はその外宮と内宮をつなぐ道の中でも最も歴史のある古市参宮街道を歩いて内宮まで目指します。
※古市参宮街道など伊勢参宮街道の記録はこちら
古市参宮街道を歩く
外宮から内宮への道はいくつかあり、最短で移動する場合は御木本道路や御幸道路という広めの道路を歩けばいいのですが、最も古くから使われていたとされるのは古市参宮街道です。ただ、古市街道は多くが住宅街となっているので、今ではほとんど歩く人はいません。
なお、内宮までは5kmで歩いて1時間半程度です。時間がない場合は伊勢市・宇治山田駅前から出る古市参宮街道経由内宮行のバスに乗るといいのかも(一時間に一本程度です)。
外宮から
さて、外宮を参拝したら、早速内宮にむけて歩いて行きます。古市参宮街道を示す看板もでているのでわかりやすいのですが、『内宮』と書いてある看板に従って行くと、御木本道路の方に行ってしまうことがあるので注意です。途中、近鉄の宇治山田駅の近くを通っていきます。住宅地ですが、広めの道を通るのでわかりやすいです。
川を渡ったあたりからは尾上坂と呼ばれるゆるい登り坂が続きます。昔は外宮と内宮の間には間の山と呼ばれる山があったようですが、今はもう住宅街。街道ならば古い建物も多いはずですが、それもほとんどないのは空襲で大きなダメージを受けたからなんだそうです。
古市
坂を登るとしばらくは平坦な道です。この坂を登ったあたりが古市と呼ばれるエリアで、最盛期には70もの遊郭があり、遊女は1000人近くいたのだとか。伊勢参拝者の精進落としの場としてものすごく賑わったようです。歌舞伎で有名な『伊勢音頭恋寝刃』もこの古市にあった油屋で起こった実際の事件をもとにしたものです。
東海道中膝栗毛では、三味線をひく女性めがけて顔にお金を投げる遊びがはやっていましたが、女性は避けるのがうまく、顔に投げたところ受け止められて投げ返されたというお笑い話もあります。
今ではこういった遊郭を思わせるものは何も残っておらず、周囲は普通の住宅街になっています。
ちょうど中間地点あたりに街道の雰囲気を残している麻吉旅館があります。1851年創業で、国の登録有形文化財。遊郭ではなく、料理旅館だったようです。こうやってみると小さな旅館に見えますが、実は5層6階建てで斜面に立っています。
もう古市参宮街道は終盤まで来ました。しばらく行くと、参宮街道資料館があり、さらにもう少しいけば牛谷坂という下り坂をへて、間の山は終了です。
おはらい町そして内宮へ
猿田彦神社からすぐのところからおはらい町が始まります。おはらい町ではいろんな御土産とか食べ物とかを売っていますが、本当に人が多いですね。やっぱり門前町でここまで繁盛しているのは伊勢ぐらいでしょう。おはらい町の一角にはおかげ横丁もあり、さらに多くのお店があります。
ちなみにこのおはらい町やおかげ横丁の辺りは5時ぐらいになると結構閉まりだすので注意が必要です。伊勢は泊りで来る人が多いから、夜に来る人はあんまりいないんでしょうね。
さて、ということでおはらい町を抜けると内宮。伊勢神宮のメインとなる神社です。結構遠いようであっという間に到着しました。道中、伊勢神宮関連の摂末社があるわけでもなく、正直それほど見どころが多いとまでは言えない街道でしたが、何度も伊勢に来ている人や伊勢街道や伊勢本街道をコンプリートしてきた人にとってはいい散歩コースとなるんでしょうね。
昔のように伊勢を歩いて楽しみたい人は是非トライしてみてください!!
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