北陸

ふぐの子ぬか漬け【ふぐの卵巣を食べる】

面白い食べ物がたくさんある金沢。その中でも、世界レベルでユニークなのが、ふぐの子ぬか漬け。なんとあの猛毒のふぐのまさに猛毒である部位の卵巣を使ったユニークな食べ物です。

ふぐの子ぬか漬け

特に大阪では、ふぐが大人気。冬になると一回はふぐがたべたくなりますね。ただ、ふぐは卵巣と肝臓に猛毒のテトロドキシンが含まれているので、とても危険。そのため、ふぐの調理には免許が必要だったりします。卵巣や肝臓は廃棄し、それ以外の場所に毒はないので、おいしく食べることができます。

てっさ(ふぐの刺身)。ふぐはあたると死ぬから、てっぽうと呼ばれています。

しかし、日本で唯一、石川県の中の大野、金石(金沢市)や美川(白山市)といった歴史的な地域のごくわずかなお店で、その猛毒の卵巣を使った食べ物「ふぐの子ぬか漬け」が販売されています。

ふぐの子糠漬けは、本来猛毒であるふぐの卵巣を2年塩漬けし、さらに1年間糠漬けにします。こうすることでフグの毒がとれ、食べることができるようになります。

ただ、その解毒の機序については科学的に解明されておらず、なんで毒がなくなるのかはよくわからないんだとか。確かに、フグの毒が加熱しても消えないことを考えると、なぜ毒がなくなるのか不思議ですね。

美川地区。右にはふぐの子糠漬けで有名なあら与。

ちなみに、全ての商品が毒性検査を受けているので、食べてみたらまだ毒が残ってたなんてことはないようです。検査を受けた商品にはふぐ加工協会の検査済みのステッカーが貼られています。 

「検査済之証」のステッカー

食べてみる

ふぐの子糠漬けはその名の通り、ぬか漬けにされています。ぬか漬けっていうのは、米ぬか(糠床)につけて発酵させた漬物のこと。ぬか漬け自体はさっぱりした漬物の味ですが、ぬかはかなり匂いがきついんですよね。

ふぐの子糠漬けも、ぬかがついた状態で売られているので、開けた瞬間に強いぬかの匂いがします。

外国人ならこのぬかのきつい匂いでもうダメって人が大半かもしれません。

金沢近辺ではかたまりで売ってたりするんですが、通常はこれを輪切りにして食べます。

糠が結構たっぷりついています。
こんな感じで輪切りにして食べます。

ちなみに、味はというと、ものすごくしょっぱい。さすが、2年塩漬けしただけあるなってかんじでしょうか。生臭さはほとんどないんですが、かなり独特な味がします。

そしてプチプチ感じ。まるでたらこのような感じでしょうか。ごはんにのせて、お茶漬けにしてもいいようです。

プチプチ感が結構いい感じ。

酒の肴にはぴったりだとは思うんですが、これは好き嫌いがかなり分かれそうな感じ。少しだけ試したいなら、金沢の居酒屋で注文してみるといいのかも。味も口の中に大分残ります。おもしろい食べ物です。

ただ、外国人でこれが食べられる人はかなりまれかも。

しかし、誰がこの食べ物を思いついたんでしょう。そもそも何故猛毒のものを食べようと思ったのか。不思議ですね。

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