高野山・壇上伽藍【根本大塔】
高野山の大門のすぐ近くにあるのが壇上伽藍。高野山でも最も中心となる場所です。
伽藍という言葉が表すのは修行の場であり、847年に弘法大師・空海が真言密教の根本道場として開いたところです。
高野山・壇上伽藍
高野山自体の中心となる門は大門で、壇上伽藍から坂を上ったところにあるのですが、壇上伽藍の正門となるのは中門です。
この壇上伽藍には建物がものすごくあるのですが、壇上伽藍では真言宗の世界観である曼荼羅が立体的に表現されており、まさに歩くだけで真言宗が理解できるようになっています。
ちなみに、真言宗では曼荼羅と言うと、密教の悟りの境地である宇宙の真理を仏や菩薩で表したものなんですが、胎蔵界と金剛界の両界があります。この両界がここでは見事に表されています。
壇上伽藍の中でもっとも重要な建物といえば金堂です。歩いていると根本大塔がメインだと思ってしまいますが、実は根本大塔よりも先に作られていたりするんですよね。
金堂には薬師如来が祀られているのですが、その本尊も完全に焼失してしまいました。
根本大塔
そして高野山と言えばやっぱり根本大塔。多宝塔で、下が四角そして、首のところが円形になっています。
多宝塔は、真言宗の寺院によくあるんですが、高野山のものが日本で最初の多宝塔。
この塔では胎蔵界の大日如来が中央に置かれ、四方に四体の如来。さらに周りの16本の柱には16の菩薩が描かれており、真言宗の世界が立体的に表現されている空間です。
そして根本大塔から少し離れたところにぽつんと立つのが西塔。西塔は金剛界の中心となる大日如来を中心に、周囲を胎蔵界の四仏が囲んでいます。
壇上伽藍では根本大塔が胎蔵界を西塔は金剛界を立体的に表しており、この2塔がそろって真言密教の世界を表していると言えるんですよね。そういう点では必ず塔は両方とも見ておきたいですね!!
不動堂
高野山は火事も多かったようで、残念ながらあんまり文化財となるような建物がないのですが、その中でも唯一の国宝となるのが不動堂。
14世紀初頭に再建されたとされるこの建物は、平安の住宅様式を仏堂に変えたものです。
こんなにも古い建物があるのは、実は不動堂はもともとここにあったのではなく、高野山の中心から少し離れたところにあったからだったりします。
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