日本での配偶者ビザ申請体験談
最近国際結婚をするカップルも本当に増えてきましたね。町を歩くと多くの国際カップルを見かけます。しかし、思い返してみると、結婚するときに困ったのは情報の少なさでした。アメリカのビサ申し込みなど他国のビザ申し込みは多く出るんですが、日本のビザの申し込みは検索しても全然見つかりませんでした。そこで、今日は私たちの体験から、結婚からビザ取得までの体験を書いてみました。国際結婚を考えている方は是非読んでみていただけたらと思います。
※配偶者ビザ等の申請はパートナーの出身国や付き合っている状況等によって大きく異なります。なので、私たちと状況が大きく異なる人は私たちの情報があまり役に立たないかもしれません。また、私たちはビザ専門家では決してないので、記憶違いや間違いがあるかもしれません。提出にあたっては御自身でもしっかりと調べることをお勧めします。間違いの情報による責任は一切負えませんので参考程度にご覧ください。
私達の状況
まずは配偶者ビザの説明をする前に、私たちの状況に関してざっと説明します。
まず私たちは夫: 日本国籍(日本生まれ、日本育ち)と妻: アメリカ国籍(アメリカ生まれ、アメリカ育ち)のカップルです。途中、数か月の遠距離恋愛はあったものの、基本的には日本またはアメリカで6年ほど同居していました。もちろん、日本在住中やアメリカ在住中にはお互いの両親にもかなりお世話になっており、顔なじみはしっかりとありました。
また、結婚直前までアメリカで数年同居しており(結婚はしていない)、そこでは共通の銀行口座がありました(アメリカは結婚していなくても2人の名義で口座が作れます)。特に意識していたわけでもなかったのですが、こうやって同居していた実態が書類の形でしっかりつかめたのは本当によかったと思います。というのも、配偶者ビザにには2人の愛が本物である証拠集めが必要なんです!!
私たちの場合は、最終的に観光ビザで入国し(日本にはフィアンセビザはありません!)、婚姻届けを日本で出して、観光ビザを配偶者ビザに書き換えるという手続きを踏みました。通常、観光ビザから配偶者ビザへの書き換えは「やむをえない理由がある場合」にしかできないようですが、日本で婚姻届けを出した場合は、この「やむをえない事情」として認められるようです。(入国管理局の人に「申し込み」(在留資格証明書)ではなく、「書き換え」(在留資格変更届)にするようにと言われました。)
日本で結婚
配偶者ビザを取る前に、もちろん結婚しなければいけません。ただ、結婚は(実は離婚も)日本はかなり簡単です。アメリカでは公証人の前で宣誓するか結婚式を挙げる必要がありますが、日本は紙を一枚書くだけです。書くところもそんなにありません。
ただ、提出する時には提出予定の市役所に事前に電話をして提出しなければいけない書類を聞くほうがいいのかもと思いました。しっかりと電話していたら、書類不備で受理されないというのも防げるし、何よりうちみたいな田舎の市役所では国際結婚の書類が揃っているかどうかを確認するだけでかなりの時間がかかり、かなり待たされてしまいました。なお、外国人パートナーの国籍によって必要な書類が分かれる時があるので注意しなければいけません。以下は一般的なアメリカ人の場合です
婚姻届
これがメインです。20歳以上の証人二人が必要。
パスポート
国籍確認のため
戸籍謄本
婚姻具備証明書
独身であることや結婚できる年齢に達していることを証明する書類。
氏の変更届
日本では基本的に夫婦のいずれかが氏を変えなければいけないが、国際結婚では夫婦別姓が基本。変えたい場合は、別に氏の変更届が必要です。
ここで気を付けたいのが、結婚具備証明書です。在日大使館でも発行可能ですが、パートナーの住むアメリカの市町村でも発行可能です。私たちは市町村で発行してもらいましたが、国の認証がないからと言うことで市役所では受け取ってもらえませんでした。ということで、急遽大使館に予約を取っていきました(アメリカの大使館はアメリカ市民であっても予約なしには入れてくれません)。なお、結婚具備証明書は外国語なので、翻訳しなければいけないのですが、自身でやってokのようです(ただし、翻訳者の名前、住所、サインが必要)。
これらの提出書類がしっかりと揃っていれば、その日中に受理、結婚完了となります。ここでもらった受理証明書は、のちにビザの提出に使うので、しっかり持っておきます。
なお、ビザ取得に際して相手国でも婚姻を登録しなければならず、受理証明書を相手国の大使館に持っていかなければいけない、ということがあります。しかし、これは国ごとに異なるようで、少なくともアメリカでは日本で結婚したとしても、アメリカでその事実は登録できず、従ってアメリカから結婚の事実を証明する書類は発給されないようです。万が一、アメリカ国内で結婚していることを証明するものが必要なら、日本の戸籍謄本をとり、それを翻訳したうえで大使館でその証明用のスタンプをもらう、ということになるようです。これはめんどくさい!!
配偶者ビザ
さて、婚姻届けをだしたら、次は配偶者ビザを申請しなければいけません。もちろん結婚しただけでは、一緒に住ませてくれません。私たちの場合は観光ビザから配偶者ビザに書き換えたのですが、それが認められるのは日本で婚姻届けを出したりするなど、やむをえない事情がないといけないようです。それ以外の場合は、日本人が日本で『在留資格証明書』を申請し、発給されるとそれを外国にいるパートナーに送り、そのパートナーが日本大使館にもっていくことで、配偶者ビザと交換してもらえるようです。ここでは、すでに外国人が日本に居住している、つまり『在留資格変更届』(ビザの種類を変える)を出すとして話を進めます。提出するものが山のようにあります。ここは気合を入れて頑張るしかないですね。業者に頼むと楽なようですが、10万円近くはするようです。
在留資格変更許可申請書
事前にインターネットでダウンロード可能。書いて持っていくことをお勧めする。
結果通知はがき
入管でもらえます。切手も不要です。
顔写真
たて4cm xよこ3cm。
パスポート[外国人のもの]
在留カード(あれば)
質問書
申請理由書
住民票 [日本人のもの]
戸籍謄本 [日本人のもの]
結婚したばっかりで、外国人の登録が戸籍謄本にない場合、婚姻届受理書を提出。
納税証明書または源泉徴収票 [日本人のもの]
身元保証書
日本人配偶者が身元保証人になります。ホームページよりダウンロード可能。
追加書類
このなかで質問書は厄介です。「2人が使っている言葉は何ですか」とか「その言葉が通じなかったらどうしますか」など、結構突っ込んだ質問をされます。8ページほどあり、かなり悩むところですが、その通りに書けばいいのかも。ほかに2人で映っている写真2~3枚や出会った経緯などもこの質問書で書きます。結婚の真実性を証明しなければいけないようです。ちなみに、出会った経緯などの内容に関する証拠の提出が必要で、我々もアメリカの銀行の通帳(2人の名前が書いてある)や妻が実家に遊びに来た時の特急券(日にちが書いてあるので本当に来ているか証明できる)などかなりの証拠を提出しています。※提出した証拠は返却してもらえません。
さて、この膨大な書類を近くの入管にもっていくだけです。郵送はできないので注意が必要です。大阪はコスモスクエアの辺鄙なところにあります。そして、いつ行っても混んでいるので、数時間はかかると思ったほうがいいのかもしれません。結果は1~3か月かかり、我々は追加で提出書類を求められたのですが、それでも初めの提出から1か月ぐらいで発給されたと思います。
結果
結果に関して、提出時に出した葉書に入管に取りに来る旨が書かれています。もちろんこれには結果自体は書かれていないので、行くまではわからないようです。ただ、収入印紙の欄にチェックが入っていれば、おそらく発給されたと見ていいのでしょうか(??)
もちろん、上記の手続きはビザの変更手続きなので、観光ビザ・労働ビザが新たに配偶者ビザに変わったとしても、日本をいったん去ったりする必要はありません。
どれぐらいの年数が許可されるかはケースバイケースのようですね。我々は初めから3年のビザがもらえたのですが、何がよかったのかはわかりません。おそらく、アメリカでも日本でもすでにある程度同居していたからなんでしょうか。多くの人は1年、1年、3年、5年と徐々に増えていき、最終的に永住権となることが多いようです。