大辺路 1【熊野まで歩く】 田辺~紀伊富田

大阪から続く紀伊路が終わると中辺路へと入り、深い山を越えていくのが歴史的な熊野古道でした。しかし田辺から紀伊半島の海沿いを下り、那智まで歩くルート『大辺路』もあります。この大辺路は歴史はさほど長くありませんが、とても風光明媚なところを行くルートです。

大辺路 (田辺~紀伊富田)

田辺ー朝来

今日は田辺から白浜を少し過ぎた紀伊富田までおよそ10キロを歩きます。いつも20kmぐらいは歩くので、今日は少し短いです。なお、紀伊田辺以南は電車が2時間に1本程度しか電車が来ないので注意です。

紀伊田辺の駅を出ると中辺路は東へ。しかし、大辺路は県道31号線に沿って南へ歩いていきます。広めの道で、歩いて30分ほどで紀伊新庄駅付近を通過します。駅からは国道から逸れて小さな道に入るのですが、住宅地の中なので道がわかりにくいです。ただ、小さいながらも看板が設置されています。

文里湾
田舎らしい道です。
大潟神社

大潟神社を過ぎたあたりからはしばらく道が細いです。ここも分岐点では基本的にちゃんと看板があるのでそれに従って行く感じ。若干ですが、山道のようなところを歩くと、朝来に出てきます。

工場の裏みたいなところを歩いてきます。
数分だけ山道。峠になってるかな??
上富田ICのあたりに出てきます。

ほんのちょっと山道を経て国道42号線に出たら、国堂沿いを進み、電車の線路を超えたら朝来です。「あっそ」と読みます。

看板を見つける度、うれしくなりますね。
櫟原神社。朝来駅近くにあります。

朝来―紀伊富田

朝来からは富田川を目指し、あとは富田川沿いに南へ歩いていくだけです。なんとも田舎な感じがまたいいですね。朝来から歩いて数十分で富田川に着きます。

 

田舎だなぁ!!
富田川。川に落ちないように注意です。
富田川沿いの庚申祠
とぼとぼ歩いて行きます。

しばらく歩くと少し川からそれて田んぼの中を歩きます。途中、保呂の虫食い岩があります。穴だらけの不思議な岩ですが、これはタフォニと呼ばれる穴で、どうやってできるのかには諸説あるようです。

実は大辺路の辺りは熊野南紀ジオパークと呼ばれるジオパークの1つで(UNESCOに登録されているものではないですが)、不思議な地質が非常に多くあります。大辺路を歩く醍醐味みたいなものなので、こういった地形の前で立ち止まってどうやってできたのかをじっくり考えてみるだけでも、なんともユニークです。

虫食い岩。気持ち悪いような、面白いような。

あとは富田川を下っていくだけ。もう今日のゴールも見えてきました。

ちなみに富田川といえば、長さ2m、胴回りは60cmといった超巨大な天然記念物の大ウナギが住むことで知られています。もちろんこれは伝説ではなく、実際にいるウナギのようですが、最近は捕獲例はほとんどないようです。

ウナギは淵と呼ばれる深いところに住むので、川を覗き込んだだけでは当然見えませんが、川沿いにウナギを祀るような地蔵もおかれており、かなり神聖な存在として祀られていることがわかります。

富田川。大きな川です。
見えないとはわかっていながらも、ついつい探してしまう。
右の観音様はうなぎを手に持っているのがわかりますか。

富田川もだいぶ下ってきました。ローソンを少し過ぎ、日神社の少し先で、富田川を渡っていくと紀伊富田駅です。

日神社
次回はあの山々を越えていきます。

駅前にはコンビニはなどはなく、かなり田舎な駅です。白浜の1つ次の駅なので、特急電車は止まらず、普通電車は昼間は2時間に1本程度しか来ないような場所です。今日はわずか3時間程度しか歩いていませんが、これぐらいにしておきたいと思います。

このまま線路沿いに歩いて白浜まで戻っても良いし(1時間程度かかります)、15分ほど歩くと富田浜と呼ばれる海岸もあります。電車まで時間があれば、きれいな海で時間が潰せるというのも大辺路の魅力だと思います。

次は大辺路の最難所、富田坂を越えます!!

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