宇治上神社【現存最古の神社建築】
宇治と言えば平等院ばかりが注目されますが、実はその近くに是非訪れておきた神社があります。それが宇治上神社です。宇治上神社は決して大きな神社ではないのですが、この神社の拝殿と本殿は最古の神社建築として有名であり、国宝に指定されています。
宇治上神社の歴史
宇治上神社は力を握っていたような神社ではないので、その起源や歴史について明確なことはわかっていないようです。祭神は、菟道稚郎皇子(うじのわきいらつこのみこと)で、このあたりには彼の離宮が広がっていたと言われています。菟道稚郎皇子は応神天皇の息子で、古事記や日本書紀にも登場するのですが、非常に優秀とされた人物であり、兄である二人を差し置いて天皇に任じられました。しかし、兄を差し置いて天皇になることはできないと思った菟道稚郎皇子は天皇になるのを辞退しますが、兄達もせっかく菟道稚郎皇子を選んだ父に申しわけないと固辞し、結局誰も天皇にならない期間が三年も続きました。そして、菟道稚郎皇子は思い悩んで自殺してしまいました。

宇治上神社はこの菟道稚郎皇子のために創建された神社であり、平安後期になって平等院ができてからは、近隣の宇治神社と合わせて、宇治離宮明神と呼ばれ、平等院の鎮守と考えられました。
宇治上神社
宇治上神社はかなり小さめの神社で、入るとすぐに拝殿と本殿があります。境内にはそれ以外の目立った建物はなく、結構小さめの神社です。

拝殿
宇治上神社の拝殿は国宝です。
この拝殿は13世紀初頭の鎌倉時代に建てられたもので、建築様式は中世の貴族の邸宅に見られる寝殿造りとなっています。寝殿造は存在していないので、そう言った点ではこの拝殿は非常に珍しいと言えますね!!


本殿
拝殿の裏に回ると本殿があります。この本殿が日本最古の神社建築であり、11世紀の半ばに作られたものです。普通は神社ではたとえ国宝であっても本殿には近づくことすらできないことが多いのですが、宇治上神社の場合はかなり近くで見ることができます。

なお、上の建物は神を祀る3つの小さな神社を覆う建物です。近づいて障子を覗くと、確かに3つの小さな神社があることがわかると思います。左殿が菟道稚郎皇子、真ん中が応神天皇、右殿が仁徳天皇です。
宇治上神社のアクセス情報
住所 |
京都府宇治市宇治山田59
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行き方 |
宇治駅からさわらびの道を歩いて徒歩20分ほどです。周囲には案内用の看板が多くあります。
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拝観時間 |
9:00~16:30
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拝観料 |
無料
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そのほか |