熊野速玉大社とごとびき岩【熊野三山】

熊野三山というと、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社によって構成され、古来より聖地とされてきた場所であり、現代でも多くの人が参拝に訪れています。熊野速玉大社はその中でもほかの2つに比べ土産物屋などは少なく、あまり観光地化されていないのですが、境内はもちろんのこと、近くにあるごとびき岩などとても見どころが多い神社です。

熊野速玉大社

さて、熊野速玉大社の最寄り駅はJR紀勢本線新宮駅。新宮駅というと大阪から特急「くろしお」が出ていますが、約3時間でかなりの遠さです。途中白浜あたりが景色が抜群に綺麗なので、退屈ではないと思いますが。大阪から普通で来ると6時間程度で結構きついです(普通で来ました!!)

さて、熊野速玉大社は新宮駅から歩いて15分ほどの場所にあります。意外と住宅地の中にあり、見つけにくかったです。熊野本宮や那智大社に比べると、人は少なめ。社殿もそれほど大きいものではありませんが、いったん中に入ると神聖な空気を感じます。

真っ赤な鳥居ですね!

熊野速玉大社は神倉神社でまつられていた熊野の神々に対して、12代景行天皇の時代に社殿を立てて祀ったのが始まりと言われています。 孝謙天皇の時代には他の熊野三山の中でもっとも早く熊野権現の名を与えられ、熊野三山の一つとして、特に平安時代には人気の神社となりました。

なぎの木。熊野速玉大社の御神木です。1000年以上のものと伝わります。
熊野だからもちろん八咫烏ですね。神武天皇を熊野から奈良まで案内した三本足の烏です。

熊野速玉大社の玉垣の向こうには5棟の社殿が並び、全て合わせると十二の神が祀られていますが、主祭神となるのは熊野速玉大神と熊野夫須美大神。熊野速玉大神はイザナギ、熊野夫須美大神はイザナミとされています。

朱色の社殿と青空とのコントラストがなんとも美しいですね。 現在建てられた社殿はかなり新しく1967年のもの。以前のものは、花火が原因で全焼してしまったようです。

ようやく速玉大社まで来れました。よかった!!
熊野速玉大社

 

神倉神社

神倉神社は熊野速玉大社から歩いて少し離れたところにあります。熊野権現(熊野の神々)は最初、神倉山に降臨したと言われており、熊野速玉大社の起源ともいえるような場所です。この神倉神社は『旧宮』と呼ばれ、速玉大社は『新宮』と呼ばれます。新宮という名前はここから来ているんですね!!

神倉神社へは、速玉神社の博物館の前にある道をまっすぐいくだけ。10分程度で到着します。

こんな看板が見えてくれば、もうすぐです。

神倉神社が立つのは神倉山の頂上。わずか100m程度の小さな山ですが、500段を超える石段で、途中までは傾斜がかなりきつめ。石段自体も不揃いなので、なんとも登りにくいですが、15分程度で神倉神社に到着します。

階段がほぼ垂直みたいだ…
手をつきながら登っていくような感じです。

 登りきるとあるのが、ごとびき岩。今にも落ちそうな感じの岩です。ごとびきとは方言でひきがえるの意味なんだそうですが、確かにカエルを下から見上げたような感じ。でも大きさから言うと、カエルと言うよりかはクジラでしょう。

古代の神聖とされた地はもうかなり多く訪れたと思いますが、その多くがはこのような大きな岩を神として祀っており、昔はこういった自然のものに霊的な力を感じていました。その古代の形をここに見ることができますね。

振り返ってみると、ごとびき岩から見える熊野灘はほんとうに綺麗です。

神倉神社。ごとびき岩が落ちてきそうです。
新宮の町並み。遠くには熊野灘も。

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